WBOヘビー級タイトルマッチ展望
WBO世界ヘビー級タイトルマッチ(6/2、米アトランティックシティ)
チャンピオン シャノン・ブリッグス(米、48勝42KO4敗1引分け) +170
挑戦者 スルタン・イブラギモフ(ロシア、20勝18KO1引分け) -250
1999年から2002年にかけて、ビタリ、ウラディミールのクリチコ兄弟が相次いでチャンピオンとなったWBOヘビーであるが、最近ややその価値が下りつつあるようだ。ウラディミールにKO勝ちしたレイモン・ブリュースターがセルゲイ・リャコビッチに敗れ、そのリャコビッチもブリッグスに敗れて、いまや4団体の中でも弱い方に属するチャンピオンとなってしまった。
そのブリッグス、1997年にジョージ・フォアマンに引導を渡した男として有名であるが、翌98年に当時の最強王者レノックス・ルイスに挑戦するもKO負けして長期低迷期に入り、しばらく鳴かず飛ばずの状態が続いた。2003年から11連勝して再度タイトル挑戦のチャンスをつかみ、とうとうヘビー級の王座についたが、タイトルを獲ったリャコビッチ戦は劣勢からの逆転KO。あと15秒ほどリャコビッチが我慢していればタイトルの移動はなかった。12Rまでスタミナが持ったということは評価できるが、途中かなりバテていたことも確かである。
対するイブラギモフはシドニーオリンピックの銀メダリストでテクニックのあるサウスポー、戦績もなかなかのものである。しかしながら、世界ランカーとの対戦はレイ・オースティン(先日、クリチコ弟に2RあっさりKO負け)との引分けくらいで、実際どの程度戦えるのかは未知数といっていいのかもしれない。
試合の鍵となるのは、ブリッグス260ポンド(120kg)、イブラギモフ220ポンド(100kg)の体格差ではないか。普通なら体格に優れた方が絶対有利なのが格闘技の常識であるが、ヘビー級までくると必ずしもそうではない。100kgを上回る体を12ラウンド休みなく動かし続けることはかなり困難なのである。ブリッグスにもそれがあてはまり、エンジン全開を続けられるのはせいぜい2R6分で、それ以上休みなく攻勢を続けることはまず無理といっていい。
対してイブラギモフは、短時間のパワーではブリッグスに劣るが、12R動き続けることができる。ましてサウスポーで攻略しにくいことを考え合わせると、ブリッグスのパワーを空転させる場面は十分に予想される。そうなると試合としてはつまらないものになる可能性が大きいのが残念だが、イブラギモフの判定勝ちが5割以上。ブリッグスが「The Canon(大砲)」と呼ばれる強打を序盤で決めて倒してしまう可能性が3割。ブリッグスが振り回しすぎて疲れKO負けが2割ということで、ブリッグスの判定勝ちだけはないだろう。
この試合は月曜日のWOWOWでタイムリー・オン・エア中継される。
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