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2007/08/31

実効支配(11) ~常識で考える日本古代史11

前回のあらすじ
倭国大乱は朝鮮半島南部からの民族大移動に伴う既存勢力との争いであったと考えられる。それにより、先進文明国であった半島の工業技術や国家制度が日本列島に移入されたではないか。

古代日本ではたして統一政権が成立することができたかという観点から議論してきたが、ここまでの私の主張をまとめると、以下のようになる。

① 紀元1世紀までの日本列島においては、余剰生産力とこれに伴う富の蓄積はほとんど行われていなかったと考えられる。これは、後漢安帝への朝貢(107年)において奴隷(生口)以外にさしたる輸出商品がなかったことからも推定される。このような状況では、領土の拡張には大きな意味はなく、統一国家を形成する動機(意味)がないといえる。

② しかし、3世紀半ばの邪馬台国においては、工業化が図られるとともに余剰生産力が生じていることがうかがわれ、これに伴い税金、国家体制もある程度整備されている。

③ この間、わずか100年余りの間に「倭国大乱」が起こったことが中国の史書に記録されている。その前後の大きな社会的変化と考え合わせると、当時の先進地域である朝鮮半島から、相当数の人口流入(民族大移動)があり、それがもとで混乱状態になったと考えるとつじつまが合う。

さて、日本史における時代区分では、倭国大乱後の2~3世紀が弥生時代後期、4~6世紀が古墳時代ということになっている。前者においては銅鐸・銅剣・銅戈・銅鏡をはじめとする青銅器が、後者においては副葬品を含む古墳が全国各地に遺物として分布している。よく考えるとこれらはいずれも、余剰生産力により生じたものであるという共通点を持っているのである。

以下ではまず、弥生時代後期における青銅器の製作について考察してみたい。

青銅器と鉄器では世界史的にみると青銅器の方がより早く成立したといわれるが、いずれにせよ紀元前には製鉄(銅)方法は確立しており、その製法が工業化というレベルで日本列島に入ってきたのも同時期とされる。それは倭国大乱といわれる時期であり、朝鮮半島からの人的移動と不可分であるというのがここまでの主張である。

その際、製鉄と製銅ではかなりその位置づけは異なっていたと思われる。というのは、鉄は「金の王なる哉=”鐡”」といわれるようにきわめて硬くかつ頑丈である。そして、定住し農耕を行う社会において、鉄の農機具があるかないかでは、作業の進み具合=生産力に大きな差が出てくるのである。併せて、武器として使う場合にも、きわめて強力な鏃(やじり)や刃となる。つまり、実用的であるということである。

これまで手作業やこわれやすい木製品で耕してした耕作地を、鉄製の農機具を使うことにより従来の何分の1かですますことができれば、より多くの収穫が得られたり、余った人数を他の作業に割り振ったりすることができる。別の言葉でいうと、GDPが増大して貯蓄することが可能となるのである。つまり、製鉄技術は農業生産性の向上にとって不可欠だったということである。(この項続く)

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2007/08/30

NFC南地区&西地区展望(NFL ’07シーズン展望5)

さて、NFL地区別展望も最後。来週からはいよいよシーズン開幕となる。先週のプレシーズン3週目には各チームの主力QBが登場、INDマニング、NEブレイディ、SDリヴァース、NOブリーズといった中心選手が順調な仕上がりを見せている。開幕まで残り1週となり、今週のプレシーズンゲームは調整中心となるだろう。

さて、残り2地区。問題のNFC南地区と、総当りの西地区を展望します。

NFC南地区(地区優勝オッズとover/under(-115);AFC対戦相手は南地区)
◎ニューオーリンズ・セインツ[NO] 2.0(even)  9.5
○キャロライナ・パンサーズ[CAR] 2.8(9:5)  9
△タンパベイ・バッカニアーズ[TB]  5.0(4:1)  7.5
   アトランタ・ファルコンズ[ATL] 7.0(6:1)  - 

ATLのQBヴィックは司法取引に応じてNFLから無期限の出場停止処分を受け、今シーズンの出場は絶望的となった。RBウォーリック・ダンはヴィックが走るからこそ脅威なので、単独ではそれほど多くは望めない。直前までヴィックなしで行くのかどうか決まらなかったこともあり、今期の地区最下位はもはや決定的といっていいかもしれない。注目の木下クンは先週キックオフリターンとパスキャッチで記録がついた。あと1週の活躍で何とか残留を。

となると、昨シーズンにチャンピオンシップまで進んだNOということになる。今年もQBブリーズ、RBマカリスターとブッシュ、WRコルストンとも調整は順調のようで、同地区のレベルが昨年より下っていることと考え合わせると、大崩れはなさそうである。

CARは一年おきに活躍するので今年は勝てる番だが、メンバー的には昨年とあまり変わらない。オフェンス、ディフェンスとも決定力があるので、波に乗ればプレイオフまで一直線だろう。TBは昨年シムズ故障で懲りて、シムズ、グラコウスキーにPHIからガルシアを加えたのはいいが、パスをキャッチする方が手薄なのはいかがなものか。

NFC西地区(地区優勝オッズとover/under(-115);AFC対戦相手は北地区)
◎シアトル・シーホークス[SEA] 2.1(11:10)   9
 セントルイス・ラムズ[STL] 3.2(11:5)   8
 サンフランシスコ・49ナーズ[SF] 5.0(4:1)   8
○アリゾナ・カーディナルス[ARI] 6.0(5:1)  7.5

オッズにみられるように、混戦である。もっともSEAファンにとっては「おいしい」ということになるのかもしれない。

SEはハッセルベックの調整(肩の故障)が気になるが、プレシーズン第3週には出てきているのでそれほど心配はいらないか。RBアレクサンダーは今年はやるはずで、ディロン、イングラムをはじめWR陣も充実。LBタトゥープを中心にディフェンスも堅く、よく見ると対戦相手の南地区に脅威となる存在はいない。あえていえばAFC北は4地区の中で最も手ごわいかもしれないが、いろいろ考えるとオッズ以上に堅いのかもしれない。

ARIはQBライナート&ワーナー、WRボールディン&フィッツジェラルド、RBエジェリンとタレント的には地区優勝して全く不思議ではないのだが、オフェンス、ディフェンスともラインが弱点。やっぱり今年もダメだったとなる可能性も五割以上あるが、期待を含めて対抗に推す。対戦相手のきつい前半戦をうまく「右から左へやりすご」せれば面白い。

STLは昨年からの上乗せ要素があまりなく、大崩れもないだろうが大躍進も考えにくい。SFは昨年急成長したRBゴアが故障でどうやら開幕に間に合いそうもなく、QBアレックス・スミスがどのくらい成長したかにかかっている。プレシーズンの出来は今一歩で、人気ほど勝てないだろうというのが第一印象。

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2007/08/29

夏季特別連載 ~マダムYの素敵な午後(その1)

注.この物語はフィクションであり、登場する人物・団体等はすべて架空のものです。

マダムYがいつものように素敵な午後、つまり借りてきたDVDを見ながらソファに寝転がってうとうとしているお昼寝前のひとときを平和に過ごしていると、ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴った。前の家の奥さんかしら、とインターホンの画面を見ると、全く知らないおばさんである。マダムYは受話器を取りながら、ため息をつく。

「はい?」
「あの、わたくし二丁目に住んでおりますF原と申しますが」
「なんのご用件でしょうか」
「もしお時間がございましたら、聖書についてお話させていただければと思うのですが」

そらきた。この時間に知らない人が尋ねてきたら、学問協会か帝国公館か、そうでなければ新聞の勧誘に決まっている。このあたりは働いている奥さんが少なくないので、専業主婦で昼過ぎに家にいるというのはそれほど多くはない。だから宗教も新聞も、もれなくマダムYのところに来ることになっているのであった。

ときどき平日なのに休んでしまう亭主がいると、たいへんな剣幕でインターホンを叩き切ってしまうのであるが、そんなことをして変に逆恨みされゴミでも捨てられたら嫌だし、お気に入りのアオハダに悪さでもされたら大変である。だからマダムYはそういう時ことさらおだやかに応対することにしている。

「せっかくなんですけど、これから出掛けなければいけないので、今日はちょっと時間がないんですが(明日もないけどね)。」
「そうでございますか。お忙しいところお時間をさいていただき、ありがとうございました。」

カメラがあることを知っているのかいないのか、ご丁寧にお辞儀をして去っていくおばさんを見ながら、マダムYはカーテンが開いていないか素早くチェックした。昼寝をしているのがバレたら、引き返してくるかもしれない。聖書ということは帝国公館である。この暑い中ご苦労様なことであるが、蝶ネクタイをした子供を連れていないだけ今日はましである。あれを見るたび、こんなことするより遊びたいだろうにとマダムYは自分のことのように頭にくるのである。

マダムYは聖書にも南無なんとかにも全く興味はない。世の中に神も仏もなく、頼れるのは自分ひとりというのがマダムYの信条である。そういえば、今日の昼はエルウェイのホームパーティーだったし、とマダムYは思い出す。今日はそういう日なのかもしれない。(この項続く)

p.s.マダムYのバックナンバーはこちらから、「せいうち日記&マダムY」にお進みください。

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2007/08/28

馬と鶏では命の値段が違う?

今週の中央競馬は無事行われたようで何よりであるが、いずれにせよこの開催によって馬インフルエンザが拡大しなかったのかということについては、今後の結果を待たなければならない。それにしても思うのは、鶏だと同じ鶏舎の何十分の1何百分の1、さらに同じ地域の他の鶏舎で鳥インフルエンザになったとしても「皆殺し」になってしまうのに、馬だと殺されないどころか行動の自由さえあるのだから不公平だということである。

朝ごはんにしらすおろしを食べただけで何百のいわしの命を奪っているのだから、いまさら「生命は尊い」などと大上段に振りかぶるつもりはないが、どうも釈然としない。確かに鳥インフルエンザの毒性(症状の重さ)は馬インフルエンザよりも強いとされているが、それは鳥と馬との抵抗力の差に起因する部分もあるだろう。さらに「変異してヒトに感染するかもしれない」リスクについて、鳥インフルエンザと馬インフルエンザがどう違うのかおそらく誰も説明できない。

鳥の場合数がきわめて多いから、鶏からカラスや雀等々に感染するとしたらどこかで変異する危険はある。でもそれを言ったら馬インフルエンザは咳で空気感染するから、鳥の場合(排泄物経由)より感染力は強い。馬の場合症状が重くならないとされているが、1971年の大流行の際罹患したメジロアサマが種牡馬になってその後遺症とみられる受胎能力の極端な低下があったことを考えると、ヒトに感染しても大した影響はないということはいえないだろう(それでもメジロアサマはメジロティターンやメジロエスパーダなど優れた産駒を残した)。

結局鳥インフルエンザは中国や東南アジアで何人か「疑いのある」事例が出ているものの、日本における鳥インフルエンザによる死者は自殺した養鶏所経営者だけである。鳥の場合はあれだけ大騒ぎしたお役所が、今度はあっさり感染馬と接触したはずの馬の移動を認めている。おそらくは「馬は税金を払ってくれるが鶏は払ってくれない」からだ。ご存知のとおり、中央競馬の売上から払戻金(約75%)と必要経費(15%程度)を除いた額は国庫に納付される。一種の税金である。

してみると、やっぱり役人ってのはろくな人間じゃないなあということである。鶏の場合は「万一変異してヒトに感染でもしたらどうするんだ」と言って皆殺し、馬の場合は「たいしてリスクもないのに、これで予算が達成できなかったらどうするんだ」と言って必要のない移動をしてしまう。みごとなダブルスタンダードである。おそらく鳥インフルエンザだって馬インフルエンザ同様あんな大騒ぎするほどのリスクはなかったはずだし、大騒ぎして追い詰められてしまった養鶏場の人はむしろ被害者である。

人が生きていく以上何かを食べていかなければならないし、何の命もとらないなんてことは無理である。フグは毒があるけれど、自分が食べられると分かっていればいわしだってマグロだって毒を出したいだろう。牛を食べれば牛の病気が感染するかもしれないし、鶏を飼って卵を産まそうと思えば鶏の病気が感染するかもしれない。それは当然許容しなければならないリスクである。

経済動物である以上、値段に高い安いがあるのは仕方がない。でも、安い動物の命だからといって安易に扱っていいということにはならない。中央競馬が見られるのは大変うれしいことだが、私が養鶏関係者だったらかなり頭にくるのではないかと思う。

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2007/08/27

ポットを作るということ ~ポーカーの奥深い世界48

LVから帰ってからも、調子は悪かったり良くなかったりする。先週の土曜日は上野でJUMPSがあった。WPJ(世界選手権日本代表決定戦シリーズ)のポイント争いには重要なトーナメントである。しかも、今週はマニラでAPPTが開催されていて、そちらへの遠征組が留守である。ネットで速報される”小動物スタイル”Satoさんの活躍(ファイナル進出おめでとうございました)に声援を送りつつ、「鬼(尼僧)のいぬ間のポイント稼ぎ」である。

調子の悪い時こそ、いろいろ試すことが重要である。しばらく前に「ポットを作って取れるようになればゲームメイクができる」というアドバイスを受けた。確かに、いいハンドが来たらベット、ボードとマッチしたらベットというパターンだと、せっかくのナイスハンドがスチールで終わったり大した実入りにならなかったりする。みんな下りてブラインドしか手に入らなければAAでも25でも一緒であろう。

例えばフロップでトップペアヒットのハイキッカーがあるがまくり目が残っているケース、ポットベットしてみんな下ろしてしまえばその時点のポットは手に入るが、プリフロのポットなどそんなに大きくはならないのが普通である。だからそういうゲームばかりしていると、いつの間にかブラインドが厳しくなってしまう。もちろん、ブラインドをスチールしたりプリフロのポットを命がけで取りに行かなければならない場面もあるが、それだけだとおそらくその時点で持っている「運のよさ」以上にはチップは増えない。

ではどうしたらポットが大きくなるのか。いい手ができたらスロープレイしたらいいのかというと、チェック回りで終わってしまえばポットはそのままである。理屈で考えれば、こちらのベットにコール(レイズ)させるか、ベットされたのに対してコール(レイズ)するか、どちらかである。AAを持っている時にAKが他にいて、ボードにAが落ちればそういう展開になるかもしれないが、そんなハンド、ボードになる確率はおそらく何千回に一回、年に何回かしかないと思われる。

それでも、そういう展開になりやすいようなポジション、ハンドを選ぶことはできそうな気がする。そう考えていろいろやっているのだが、なかなかうまくいかない。そう考えてプレイしていたらJUMPSの時に2度、おもしろいゲームがあった。営業秘密(笑)に関わるのでハンドやボードは書けないことをご勘弁ください。

一回目はポイント獲得が決定してしばらくしたあたり、チップリーダーがベット私がコールで、最後はオールイン要求にコールして勝ちチップリ逆転したゲーム。こちらの手はツーペアから最後フルになったけれど、ナッツではなかった。もちろん運が良かったには違いないのだが、「ポットを大きくする」というテーマがなかったらコールしていないか、あるいは最初から参加しなかったかもしれない。

二回目はiguさんとのヘッズアップ、今度は逆に私がベットしてコールされて・・・というゲーム。いつもの私ならフロップヒットでオールイン(少なくともビッグベット)なのだが、フロップ・ターンともポット半分くらいをベットしていたらコールされた。そしてリバーまで行って開いたのが3枚目のスペード、ここでiguさんオールイン。ここまでチップ量はほぼ互角ながら少しリードされていたので、もしかしたらブラフ?と思ってはみたもののこれはコールできませんでした。

最後は、1:3のチップ差からAJoオールインをK9sでコールされて、フロップが落ちて残念ながらまたもやヘッズアップ負けに終わったけれど、その後のHOPSオマハハイローも含めてポイント入賞点でのサバイバルゲームに勝ち残ることができたし、結構有意義な週末を送ることができたのでありました。

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2007/08/25

累計20万アクセス達成!

おかげさまで、昨日までに累計200000アクセスを達成いたしました。
いつもお読みいただいている皆様に改めて感謝いたしますとともに、
がんばって毎平日の更新を続けていきたいと思います。

ありがとうございました。

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2007/08/24

実効支配(10) ~常識で考える日本古代史10

前回のあらすじ
後漢書にある「倭国大乱」を契機として、倭国には劇的な社会構造変化が起こった。その大乱(混乱状態)の正体は、朝鮮半島南部から日本列島への民族大移動と、それに伴って既存勢力との間で起こった戦乱のことではないだろうか。

六つ目の理由は、やはり魏志倭人伝の記事からである。邪馬台国の南に、狗奴国という別の国があり、卑弥呼の支配には属していない。男王卑弥弓呼(ひみくこ)は卑弥呼と「素不和(もともと仲が悪かった)」という。なぜ、もともと仲が悪いのか。これも、狗奴国は昔もっと北にあった良い土地を追われたので、邪馬台国と仲良くするつもりはなかったと考えるとしっくりくる。

そして最後の理由は、後漢から金印を下賜された倭奴国はどうなったのかということである。金印は江戸時代に偶然、福岡県志賀島で発見された。金印が大変貴重なものであるのは昔から分かっていたはずで、国を代表する資格を認定されたということや、美術品・工芸品としても貴重であるということもさることながら、金なのだから鋳潰して売ることができる、武器や食料と交換できるのである。

それが偶然見つかったということは(石の下に埋められていたらしい)、少なくとも盗賊や征服者に奪われたものではない。そして、倭奴国が存続していたとすれば、どこかもっときちんとした場所、例えば海の正倉院といわれる沖ノ島や、どこかの古墳の中といったところに残されていたはずである。それが、農作業中に偶然発見されたということは、仮にその場所がもともと宝物を埋めてもおかしくないところであったとしても、それを知っている人間がその後にそこを支配した人間の中にはいないということである。つまり、後漢に数百人の生口を献上した倭奴国は、どこかで滅亡した可能性が高い

だとすれば、可能性として考えられるのは倭国大乱時である。そして、朝鮮半島から多数の難民が流入し、それがもとで戦乱が長く続くという混乱状態の中で、金印がどこにあったかということを記憶するすべての人がいなくなってしまった。たかだか数十年のことであれば、場所さえ分かればたとえ墓の中であったとしても奪ったはずであり、それすらできなかったということは、民族大移動のような大きな混乱を想定してもよさそうである。

ここで突然出てきた「海の正倉院」沖ノ島であるが、玄界灘の真っ只中に浮かぶ孤島であり、宗像大社の沖津宮として、現在でも神職一人だけが住む女人禁制の島である。ここからは7世紀以前の祭祀遺物や夥しい数の銅鏡等が出土しており、それらは一括して国宝・重要文化財に指定されている(島自体も、天然記念物)。実はこの島についての記載が古事記・日本書紀にみられないことにより、大和朝廷が4、5世紀以前に日本列島を代表していないということが推定できるのである。

また、何度か話に出てきた金印の「漢委奴国王」の読みであるが、よく言われるところの「”かん”の”わ”の”な”のこくおう」という読み方は当時の下賜された例からみて考えにくく、「匈奴」と同様「倭奴」で一つの言葉を形成していたと考えるのが妥当である。これを、「わど」と読んだか「わぬ」なのか、あるいは「いど」「いぬ」なのかは議論の余地があるが、いずれにせよ「奴」にいい意味はなく、「倭の野蛮人の国王」という意味なのは残念ながら間違いなさそうだ。

こうして朝鮮半島からの民族大移動を経て、日本列島に工業化と、生産力向上と、税のシステムが移入されたと考えるのだが、この時点で、征服活動は財と労働力の収奪、それ以降の収穫のシステム的な搾取というメリットが生じることになる。さて、それがすぐに日本列島全土の統一ということにつながるのだろうか。ここでいったん中国の史書から離れて、日本国内のこの時代の遺跡についてみてみることにしたい。

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2007/08/23

AFC南地区&西地区展望(NFL ’07シーズン展望4)

NFL開幕まであと3週。今週は昨年のNFLチャンピオンINDの属するAFC南地区と、今年のチャンピオン候補SDの属するAFC西地区。この両地区も総当りとなります。

AFC南地区(地区優勝オッズとover/under(-115);NFC対戦相手は南地区)

◎インディアナポリス・コルツ[IND]  1.2(2:11)  11.5
   ジャクソンビル・ジャガーズ[JAC] 4.5(7:2)   9
   テネシー・タイタンズ[TEN]     13.0(12:1)  6
△ヒューストン・テキサンズ[HOU]  17.0(16:1)  6.5

INDが圧倒的な一番人気である。もちろん、最後には抜け出してくるとは思うけれども、昨シーズン地区内では3勝3敗であること、NE、BALとの対戦があること、レベルの高い西地区との総当りであることから波乱の要素はあり、11.5のo/uなら迷わずunderである。

しかし、地区内ライバルはぱっとしない。JACは総合力ではINDに次ぐが、昨年同様どのQBも帯に短したすきに長しという形容がぴったりくる。RBジョーンズ=ドリューは活躍すると思うのだが。TENはCB兼リターナーのパックマン・ジョーンズが不行跡で年間出場停止、昨年の攻撃新人王QBヤングもチーム内で殴り合っている始末で、昨年以上の活躍は難しそうである。

となると、結構期待できるのはHOU。何より、年々陣営を強化しているディフェンスがいい。QBもぱっとしないカーを放出してATLからショーブを取った。攻守とも間違いなくレベルアップしているはずでover6.5はおいしいのではないか。

AFC西地区(地区優勝オッズとover/under(-115);NFC対戦相手は北地区)

◎サンディエゴ・チャージャース[SD] 1.5(1:2)   11
△デンバー・ブロンコス[DEN]   2.6(8:5)   9
△カンザスシティ・チーフス[KC]   9.0(8:1) 7.5
   オークランド・レイダース[OAK]  31.0(30:1)  5

SD地区優勝はかなり堅い。オッズ1:2というのはもしかして「銀行馬券」という奴かもしれない。今年もトムリンソン頼みというのは仕方ないが、QBリヴァース、TEアントニオ・ゲイツとの「力のオフェンス」は大崩れしそうにない。加えて、LBショーン・メリマンを中心にディフェンスも強力で、問題はむしろプレイオフをどう勝ち抜くか、それを念頭に置いたシーズンとなりそうだ。

DENはプラマーを放出し今期QBはジェイ・カトラー一本で行く。プラマーを見習ったわけでもないだろうがちょっと球を持ちすぎる傾向がみられ、そこがどの程度改善されてくるか。もともとラインは強いけれど、毎年RB陣が変わるというのもちょっと気がかり。KCもグリーンを放出してQBはヒュアード。まあ、ここはRBラリー・ジョンソンとTEトニー・ゴンザレスのワンパターンオフェンスなので、他がどう転んでも昨年同様プレイオフ争いには絡むかもしれない。

OAKはNFL32チーム中最も地区優勝オッズが高く31倍。せっかくドラフト1位でQBジャマーカス・ラッセルを指名したのにWRランディー・モスを放出し、ラッセルの契約交渉がこじれると今度はMIAからカルペッパーを取るなど、何がしたいのか良く分からない。地区内他チームが地上戦(ラン)主体のチームなので、空中戦(パス)に活路を見出す以外ないのだが。これでは今年も引続き連敗街道一直線という感じである。

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2007/08/22

内藤大助vs亀田大毅戦の真相に迫る

なんかボクシング専門のブログみたいになってきましたが、とりあえず今日までご辛抱を。

ここ数日、時間があるとネット上を行ったり来たりして、内藤・大毅世界戦の情報を集めていた。ボクシングに目の肥えたライターは例外なく私と同じ意見、大毅では内藤の相手にはならないというものであった。だから、今日は技術論に戻って議論することはしない。

言ってみれば、常磐道で250km/hとか出して「俺には誰も追い付けないぜ!」とか言ってる小僧っ子が鈴鹿でFIに出るようなものなので、クラッシュするか何十周遅れるかという世界に違いないのだが、これまで分からなかったのは仮にも協栄ジム金平会長はプロ、そんなことが分からないはずはない。TBSだって視聴率ばかり気にしている奴が大多数だとしても、スポーツ観戦歴が長ければその程度のことを考える人間がいないはずはない。にもかかわらずなぜ、3億円はリップサービスとしても相当の大金をかけてこんな試合をするのかということであった。

その答えがネット上にあった。あくまで真偽不明の情報であるが、「内藤戦が大毅のラストマッチになる」というものである。スポーツ新聞記事の表面だけ読んでいるとそんなバカなと思われるかもしれないが、実はこのことで私が不思議に思ったかなりの部分の説明が可能になるのである。以下、私の推測も含めてその情報についてご紹介したい。

3兄弟の中で大毅が最もボクシングの才能がなく、またやる気もないというのはかなり良く知られた話である(才能があってもトレーニング方法が間違っていては大成しないが)。大毅の希望は亀田兄弟フィーバーで名前を売って芸能界入りすることで、世界チャンピオンを張れる器でないことは本人はじめ亀父も金平会長もみんな分かっていることだ。その意味では内藤も言っていたが、大勢の前で歌える度胸だけは大したものである。

さて、そういう最終目標からすると、どういうタイミングでボクシングから身を引くのが最も効果的だろうか。これまでジョー小泉がうまいことやる気のない選手とマッチメークしてきたが、だんだん客の方も気づいてきた。「無敗の快進撃を続け、史上最年少世界王者を目指したが、惜しくも奪取はならなかった。生涯成績11戦10勝7KO1敗」という今回の試合がドンピシャだという気はしないだろうか。

亀父にとってみると、大毅で客を呼べないということは分かってきたし(どこの会場もがらがらだ)、最近TBSもいい顔をしない。興毅は仮にも元世界王者だし現在も世界上位ランカーだが、いまさら後楽園ホールでなど試合させたくない。となると、なんとかいまメキシコで修業中の三男がプロデビューするまで食いつながなければならない。TBSから大毅をダシにまとまったカネが入るこの機会は好都合であり、併せて大毅も世界挑戦者のハクをつけて芸能界に送り出したい。

TBSにとっては、フジのPRIDE騒動を見ているだけに、亀田一家との付き合いはバックギアに入れたいところ。加えて亀田一家に対する世の中の風向きもフォローからアゲンストになりつつあり、この一戦がターニングポイントになりそうな雰囲気は感じているはず。もちろん視聴率=広告収入は見込めるので手切れ金代わりに多目に払っても懐は痛まない。

そして協栄ジム。長男移籍時にグリーンツダジムに支払った金額は、そろそろ全額回収しておかないと危なくなってきた。だからTBSから大金をGETしようという点では亀父と利害は共通。そしてこの試合大毅が負けても(負けるが)、後に興毅も坂田もいるから全く問題ない、というよりはむしろビッグマネーが期待できる。いずれ次の試合はタイに行かなければならないし、だとすれば嫌な仕事は全部内藤と宮田ジムにやってもらおうというくらいは、金平会長なら考えていそうだ。

こうして考えてみると、大毅が負けて困るのは本人含めて誰もいない。問題は大きなダメージなく試合を終えることができるかということと、芸能界入りがそんなにうまく行くかということである。TBSも露骨なことはできないので「SASUKE」と「筋肉番付」くらいには出してもらえるのだろうが、あのキャラクターがそんなに好まれるとは思えず、その点では亀父の目論見は大きく外れることになるだろう。

そんなことを考えていたら、大毅のスパーリングパートナーは6回戦ボーイという新聞報道である。どうやら、ケガをしないことに全神経を傾けているようだ。「オレはもっと先をみている」そうだけど、一体どこを見ているのかな?勝つのはともかくいい試合をしようと思っていたら、本田秀伸とか(バレラがハメドとやったとき、仮想ハメドとなってスパーリング)とやるべきじゃないの。というわけで、内藤戦の結果は今のところ、◎勝手な理由をつけて試合放棄、○勝手な理由をつけて試合そのものをキャンセル、△4Rくらいで壊される前に座り込む、といったところでしょうか。

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2007/08/21

世界タイトルマッチは「卒業記念旅行」ではない ~武本在樹vsクリス・ジョン戦(続き)

ボクシングの試合は「競技(スポーツ)」なのか「興行(見世物)」なのかという根本的な議論はあるのだが、保守的に「競技(スポーツ)」と仮置きしたとしても収入と支出が見合わなければそのうち誰もやらなくなってしまう。

そのことを前提に考えると、仮に5000人入る会場を客単価5000円で満員にしたとしても、入場料収入は2500万円にしかならない。後楽園ホールには2000人くらいしか入らないし、有明コロシアムやさいたまアリーナを使ったところでちゃんと自腹で入るのは5000人程度しかいない。そして日本選手の試合で5000円以上払って一般席で見る価値のある選手は残念ながらいない(ホルヘ・リナレスを除く)。

入場料収入を得るためには、試合を開催する費用、つまり会場の借り賃、ポスターや開催告知のための広報費用、当日の会場整理・警備その他スタッフの人件費、チケット販売の委託費用などがかかるので、それらが収入2500万円から引かれると仮に主催者の儲けをゼロにしたところでファイトマネーとして割けるのは両選手合わせて数百万円ということになる。

その程度のファイトマネーで来てくれるようなチャンピオンもいない訳ではないが(ミニマム級とか)、大抵はそれでは来てくれない。だから、その分をどこからか調達しなければならない。それができるのは、テレビ局か、スポンサーか、ジムの後援者ということになる。

しかし現実には、もともとNHKが紹介したことから注目され始めた亀田一家とか、たまたまスポンサー企業を見つけることができた選手とか、ジムのオーナーが漫画家でボクシングに使えるおカネがたくさんあるとか、資金力のふんだんにある大手ジムの所属選手であるとか、(「マネーの虎」に出るとか)、そういうことでないと資金の調達はできない。

つまり、勝負は最初から半ばついていることになる。資金調達のできるバックボーンのある選手はカネで世界ランクを買い、カネで世界挑戦を果たし、そして見せ場もなく負けていく。そもそも日本に優れたボクシング指導者はそれほど多くないし、国内のライバル相手に切磋琢磨もしない訳だから、こういう選手が何人いたところで世界戦の数が増えるだけで全体のレベルを上げることには全くつながらない

さて、最初に戻って質問である。これが「競技(スポーツ)」と言えますか?私が見たいのは、実力が接近した選手同士の手に汗をにぎる熱戦であって、はじめから勝負の行方が決まっている「興行(見世物)」ではない。おカネがあるからといって、卒業記念旅行のような気分で世界タイトルマッチをやるのはいい加減やめてほしいし、JBCもこれを許すのなら、いっそのことIBFとWBOも認めてしまってほしい。なぜなら、勝負の行方が決まっていても見る価値のある選手は世界にいるからである。

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2007/08/20

世界タイトルマッチは「卒業記念旅行」ではない ~武本在樹vsクリス・ジョン戦

日曜日のWBA世界フェザー級タイトルマッチは、金曜日に書いたようにチャンピオンのクリス・ジョンが圧倒的な力量差で挑戦者の武本在樹を9回終了TKOで退けた。やはり「格闘技に番狂わせなし」なのであった。

何年か前にJBC(日本ボクシングコミッション)は、「日本チャンピオンまたはOPBF[東洋太平洋]チャンピオンになっていない選手は、世界タイトルに挑戦させない」という申し合わせを作った。これは世界戦の粗製濫造、つまり日本人挑戦者が世界チャンピオンに全く敵わないという試合がとめどもなく続いたことにより、ボクシング人気が冷え込むことを懸念して作られたものだったのだが、いつのまにかこのルールはうやむやにされ、歩調を合わせてボクシング人気も冷え込んでしまった。

世界中で、日本のようにほぼ毎日ボクシングの試合があるという国はそれほど多くはない。しかしどう控えめに見ても、そのレベルは世界最高というにはほど遠い。レベルが高ければ、仮にローカルタイトルを取っていなくてもいい選手はいるかもしれないが、全体のレベルが低いのだから少なくともローカルチャンピオンにならなければ恥ずかしくて世界に出せないというのはすぐれた見識である。

ところが、こんなに不景気なのに「黄金の国ジパング」なのか、まるで卒業旅行とかボクサー生活の記念とかであるかのように、世界に挑戦しては全く見せ場も作れずに負けていく選手が多い。それでも、国内のライバルを破ってというなら分かる。そうでないから見ている側には頭にくるのである。

現在、ボクシングの世界チャンピオンとして認められている団体は4つあり、そのうち歴史の古いWBAとWBCを日本では世界タイトルと認定している。この4団体はそれぞれに地域タイトルを持っており、日本チャンピオンの上とされているOPBF[東洋太平洋]チャンピオンはWBCの認定タイトルである(WBAの認定しているのはPABAで日本未公認)。そして、地域タイトルのチャンピオンはそれぞれの団体でオートマチックに世界ランク上位にレイティングされるが、なにしろ4つもあるので中にはそれほど強くないチャンピオンもいる。

そういう実力の劣る世界ランカーを連れて来て日本で試合させ、地元判定でも何でも勝てば世界ランカーとなり世界チャンピオンへの挑戦権を得ることができる。そういう選手もそのマネージャーも自分達の実力は知っているので、半ば負けるのを承知で、別の言葉で言うと「世界ランクを売りに」日本に来る。そうやって世界ランカーとなったのが今回の武本在樹であり、亀田弟なのである。

そんなことをして何のためになるのかと思うが、おそらく世界戦経験者というのはそれなりの「ハク」がつくのだろうし、何十回に1回はまぐれで勝ってしまうこともある。だからといって、負ける何十回を見せられる方はたまったものではないし、大体、世界ランクや世界戦をカネで買える奴だけがそういう「卒業記念」をすることができて、そういうカネや伝手がない選手はいくらがんばってもそういう機会にたどり着くことが難しいというのは、世間一般と同じで全く夢のない話ではなかろうか。(長くなったので続きは明日)

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2007/08/17

内藤大助vs亀田大毅世界戦決定!

「格闘技に番狂わせなし」は桜五郎(プロレスラー)の名言だが、実際ボクシングの試合で本当の番狂わせというのは百試合のうち1試合あるかないかである。「番狂わせ」といわれる場合のほとんどが情報不足に起因していて、有利とされる方がそれほど強くないか、不利とされる方がそれほど弱くないかのいずれかである。

今世紀にはいってからの世界戦でいうと、20回やって1回勝てるかどうかの選手がその1回を世界戦でやってしまったというのは、2001年のヘビー級世界戦でハシム・ラクマンがレノックス・ルイスをKOした試合がほとんど唯一のケースで、あとは冷静にみて実力差がそれほどなかったにもかかわらず絶対有利(不利)などといわれていただけである。今年のケースでいえばドネアがダルチニアンをKOした試合と内藤がポンサクレックに判定勝ちした試合が番狂わせといわれるが、後から考えるとそれほど力の差はなかったというべきだろう。

さて、10月に内藤の持つWBC王座に挑戦することが決まった亀田弟だが、もしアクシデント(バッティング等による負傷)以外で亀田が勝ったとしたら、ラクマンがルイスに勝った以上の番狂わせである。もちろん、両者の年齢差が十歳以上違うことからすれば、内藤が急速に老け込み亀田弟が急速に伸びる可能性はゼロではないが、そもそもきちんとした指導者についていない弟が伸びるはずがないのであった。

亀田兄弟として一緒くたにされてしまう兄の興毅は、ともかくも世界戦前にOPBF(東洋太平洋)のフライ級チャンピオンをとっているし、ノエル・アランブレッドをはじめちゃんとした世界ランカーと対戦して経験を積んでいる。一方弟の大毅が対戦したそこそこの相手といえばせいぜいバレリオ・サンチェス(メキシコ・チャンピオン)くらいで、しかも打ちまくられてどう見ても負けのはずなのに露骨な地元判定勝ちだった。

週末にクリス・ジョン(インドネシア・WBAフェザー級王者)に挑戦する武本在樹も、おそらく10回やって1回しか勝てないのだろうからもし勝てば番狂わせだが(大体、何で榎に勝てないのに世界挑戦できるのか?)、大毅が勝てる確率はそれ以下であろう。そもそも、日本の上位ランカーで、亀田弟とやって負ける選手はいないのではないか。

それでも、大毅のファイトマネーは2億円だそうである。彼の商品価値があるのはこの試合までだろうから、まあ不愉快ではあるが我慢しよう。唯一懸念材料があるとすれば、これに勝てば次は兄の興毅との試合が確実であることからビッグマネーを前にして内藤が緊張しすぎてしまうことだけだ。これを勝てば次はデラホーヤとのビッグマッチというロバート・アレンとの試合で、あのバーナード・ホプキンスでさえ固くなったのである。

もう一つ予想すると、これは勝敗予想ほどの自信はないが、10月11日の有明コロシアムはアンチ亀田が半分以上を占め、亀田弟はブーイングを浴びるはずである

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実効支配(9) ~常識で考える日本古代史9

前回のあらすじ
倭国大乱の正体は、朝鮮半島南部から日本列島への民族大移動と、それに伴って既存勢力との間で起こった戦乱ではないだろうか。その理由の四番目は、その後の時代において倭王が朝鮮半島における軍事権を主張したことである。

讚死,弟珍立,遣使貢獻。自稱使持節、都督倭百濟新羅任那秦韓慕韓六國諸軍事、安東大將軍、倭國王。表求除正,詔除安東將軍、倭國王。(宋書倭国伝)

訳:(それまでの倭王)讃が亡くなって弟の珍が王となり、使節を派遣し朝貢してきた。自ら「倭百濟新羅任那秦韓慕韓六國諸軍事、安東大將軍、倭國王」と名乗っており、任命するよう願ってきたので、「安東將軍倭國王」に任命する(太祖文帝の)詔が下された。

邪馬台国より1世紀余り後、倭の五王の時代に、歴代の倭王は再三にわたり「倭百濟新羅任那秦韓慕韓六國諸軍事、安東大將軍、倭國王」に任命してもらうよう運動していた。これはどう考えても、倭(日本列島)よりも百済新羅・・・(他はすべて朝鮮半島南部)に重点が置かれていて、そこでの軍事行動(=実効支配)を認めてくださいということである。(領有権はあくまで朝貢先=宋にあるとしている。ただし、宋は黄河以南を支配する南朝なので、実際の効力がどの程度あったかは疑問)

上表文(今で言う陳情書か)が出されたのは他の文書等から西暦436年とされる。「倭・百済・新羅・任那・秦韓・慕韓」六国の諸軍事を希望したにもかかわらず、「安東將軍倭國王」しか認めてもらえなかったのである。その後、たびたび朝貢、陳情を続けた結果、478年の武の時代にようやく、「都督倭新羅任那加羅秦韓慕韓六國諸軍事、安東大將軍、倭王」を認めてもらうことができた。この際朝鮮半島への軍事権を認めてもらうための根拠として示したのが、前に上げた倭王武の上表文なのである。

倭王武の祖先が半島を支配していたのがいつなのか。卑弥呼の時代には九州だけだった。もちろんそれ以降に朝鮮半島に侵攻した可能性もあるが、この時代は高句麗と新羅が勢力を拡大し、もとからあった百済をも圧迫しているのである。ニューカマーの倭国がゼロから勢力を拡大したとは考えにくい。そういう状況にあったにもかかわらず朝鮮半島に進出したとすれば「ここはもともとうちの土地じゃないか」ということではなかっただろうか

五つ目の理由は、これが一番大きなものなのだが、後漢安帝の「倭奴国金印」からわずか100年ほどしか違わない邪馬台国で国家体制と工業化が実現できた理由として、最も納得できる回答が「先進地域である朝鮮半島からかなりの質・量の人口移動があったから」ということだろうと思うからである。

詳しくは魏志倭人伝の考察のところで述べるが、邪馬台国には税も官僚制度もあり、金属(青銅・鉄)製品、繊維製品を輸出(=朝貢)できるまでに工業化されていた。100年あればその位のことはできると思われるかもしれないが、和人と1000年以上境を接してきたアイヌ民族には、最後まで税も民族国家もなかったことからすれば、単に交易関係だけでこうした変化が起こるとは考えにくいのである。(この項続く)

p.s.常識で考える日本古代史のHPができました。こちらへ。

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2007/08/16

NFC東地区&北地区展望(NFL ’07シーズン展望3)

NFC東地区(地区優勝オッズ(JRA式)とシーズン勝ち星over/under(-115)、AFCの対戦相手:東地区)
◎ダラス・カウボーイズ[DAL]  2.8(9:5) 9.5
△フィラデルフィア・イーグルス[PHI]  3.0(2:1) 9
   ニューヨーク・ジャイアンツ[NYG]  3.5(5:2) 8
△ワシントン・レッドスキンズ[WAS]  4.5(7:2) 7

昨シーズンは地区優勝したPHIの他、DALNYGもワイルドカードで、NFCのプレイオフ6チームの半分が東地区ということになったハイレベルの地区。今年も激しい星の潰し合いが予想され、WASも含めてすべてのチームにチャンスがある。

その中でも実力上位はDALだろう。プレイオフでまさかのホルダーミスをしたQBトニー・ロモだが、昨シーズンと違い今年は開幕からのスターターとなるので本領発揮だろう。さすがにホルダーはしなくてすむはずである。WRオーウェンスもとりあえず残留したし、ディフェンスも相変わらず堅い。

PHIはQBマクナブの回復度合いが気になる。去年マクナブ欠場の穴を埋めたガルシアがいないので、今年はフルシーズンの活躍が必要だが、そろそろ年齢的に無理が利かなくなる可能性もある(だからドラフトでまずQBを指名したのだろうが)。NYGはティキ・バーバーの穴をジェイコブスが埋められるかどうか。あまり長持ちしそうに見えないのだが。マニング弟は昨シーズン程度だろう。

WASはあまり補強が進んでいないようなのがやや気になる。QBキャンベルが成長していれば、WRサンタナ・モスとランドールエル、RBポーティスといったところは信頼できる。ルーキーSランドリーは即戦力と評価が高く、開幕から出てきそうだ。

NFC北地区(地区優勝オッズ(JRA式)とシーズン勝ち星over/under(-115)、AFCの対戦相手:西地区)
◎シカゴ・ベアーズ[CHI]  1.2(1:6) 10.5
   グリーンベイ・パッカーズ[GB]  5.0(4:1)  7.5
   ミネソタ・ヴァイキングス[MIN]  13.0(12:1) 7
   デトロイト・ライオンズ[DET]  16.0(15:1) 5.5

総当りとなるNFC東地区、AFC西地区ともレベルが高く、CHIを除く3チームが五分以上の星を残すのはかなり困難である。消去法でCHIの地区優勝ということになり、ともかくもプレイオフには駒を進めることになるだろう。

CHIは今年もQB補強は考えていないようで、RBもセドリック・ベンソン一人になって引続きオフェンスが足を引っ張る展開か。しかしブリッグスが結局残った鉄壁ディフェンスとリーグ1のスペシャルチームは依然健在で、2桁の勝ち星はかなり堅い。

昨シーズンは最後プレイオフ争いまで顔を出してしまったGBだが、ファーヴが今年もスターターというのは新鮮味に欠けはしないか。MINも上乗せ要因に乏しく、むしろ期待できるのはDETだろう。

QBキトナが加入した昨年、劇的にパスオフェンスが改善されたが、今年も即戦力といわれるルーキーWRカルビン・ジョンソン、RBにはDENからテイタム・ベル、WASからダケットが加入して、楽しみな布陣となった。地区優勝はともかくとして、over5.5はなんとかしてくれるのではないか。

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2007/08/15

フォールドするのは気が楽だけど ~ポーカーの奥深い世界47

毎日暑くて会社に行くのが嫌になるが、ご飯を食べるためには仕方がない。ストレス解消にはなんと言っても「飲み」なのだが、そろそろ医者に行く時期なので節酒もしなければならない。というわけで(?)昨日は部室(上野ルーム)に行った。

最近出歩くのに気が進まないことが多く、ポーカーをやる機会も少なくなっている。そのせいかどうか、一時期ほど手が湿っているということもなく、確率どおりに手が入るけれども負けるという、わたし的にはいつものペースに戻ってきたのはありがたいことである。

毎ゲーム配られる2枚のカードがどのようなハンドで来るかという確率を考えると、上位10%のハンドは1/10の確率で来る(だから10%なのだ)。そして各ゲームで配られるカードは前のゲームで何が配られたかとは無関係(つまり独立した事象)であるので、10回配られた時、何回上位10%ハンドが来るかは二項分布に従う。

2、3回くらいだとなんとか計算できるがそれ以上になると計算が面倒なので、普通は多少の誤差には目をつぶって、ポワソン分布(さらに試行回数が増えると正規分布)で考えると分かりやすい。10回の試行(つまり10人テーブルで1周)で上位10%が来る回数は平均1回(0.1*10=1)だが、ポワソン分布表によれば、0回、1回、2回以上となる確率はほぼ等しい。つまり1回も来ない確率が1/3ある。

これが2周20回だと平均が2回で0回の確率はほぼ1/10になるのだが、今年の4月から6月にかけて、WSOP本番も含めて、勝負どころの2周で上位10%のハンドが来ないことなど日常茶飯事だったのである。上位10%のハンドとはAAから88くらいまでのペア、AK~AT、A9・A8・KQ・KJ・QJといったあたりのスーテッドで(ひとにより好みが若干ある)、まあ一言でいうとオールインでコールされたときそんなに恥ずかしくないカードである。

それがLVから帰国して以来、確率どおりにほぼ1周に1回はこういうハンドが入るようになった。コンスタントにこういう手が来ると、まあ場合によっては見送ろうかという気にもなるので、プレミアハンドで下りるのも平気になる。ちなみに、先週の岡山ではプリフロでAK、フロップでAAを下りた。手が来ない時は、「ここで勝負しないともうチャンスはない」と思ってしまうので手が縮こまってしまう。それと比べると精神的にすごく楽である。

テーブルにつくとすでに5ラウンド(200-400)。スタートチップ2000点ではなんとも心許ないが、SBでQQがいきなり入る。オールインで2人コールしてくれて、なんとかAが落ちずにトリプルアップ。これで安心してA9、KQは下りる。すぐに6ラウンド(300-600)、ショートオールインにAJでコール。何も落ちなかったがこれも勝つ。なんか調子いい。

リバイラウンド最後のハンドはQTs。チップは3900点なので、下りても負けても次のラウンドは約12000点スタートで変わらない。すでにオールインが入っていたので当然コール。出てきたのは77。ツーオーバーだからやや分が悪いがほぼ五分五分。しかしフロップでいきなりが出てしまう。リバイ&アドオンで12000点からリスタートである。

2テーブルなので、ファイナルまではおとなしくしようと思って、時々スチールやブラインドの時小さく打つ以外は動かなかった。その間に7ラウンド(400-800)、8ラウンド(600-1200)と時間が経過する。ハンドは入っているのだが、いまいちポットが大きくならない。もう9ラウンド(1000-2000)である。ブラインドに削られて10000点ちょっとになったあたりでようやくファイナルテーブルになった。

ファイナルは9人。あと2回でBBが来る。このラウンドのブラインドが1000+2000=3000点、次が1500+3000=4500だから、あと11ハンドの勝負である。11ハンドで上位10%が来る平均的な回数(期待値)は1.1回。だから来た時が行く時である。残念ながら3倍レイズしたとたん下りられないチップ量になるので、どうせなら最初からオールインである。

と思って、ファイナルテーブル最初の1手をみると、いきなりAKoである。AA以外のすべてのハンドと勝負になる。初志貫徹でオールインすると、ミドルポジションのNっちさんがコール。チップをかなり持っているのでここを失っても全然勝負権はある。ハンドは99。本日2度目のツーオーバー。しかしフロップで当然のようにが落ちてセット。私もゲームセットである。

ハンドが来ている時はフォールドするのに気が楽なので、ストレスはそれほどたまらない。たまらないのだが、結局負けてしまってはどうしようもない。まあ、途中経過でそれほどつらい思いをしなくなっただけよしとしなければならないのか、それともハンドが来ている時にもう少し仕掛けるべきなのか、なかなか難しいところである。

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2007/08/14

スポーツジム満員御礼 ~せいうち日記14

体重はほとんど減らない、というより増えているのだが、引き続きスポーツジムには行っている。12日の日曜日はお盆休みの前半になるので空いているだろうと予想して行ったのだが、ところがどっこい、満員盛況だった。

7月はほとんどエアコンをつけなくても寝られる夜ばかりで、このままではお米の出来はあまり良くないのかなと思っていたら、8月に入って一気に暑くなった。田んぼも葉の緑ばかりが目立っていたのに、この十日余りで穂が垂れて黄緑色である。まだ当分は晴れて暑い日が続きそうなので、今年もめでたく豊作が期待できそうである。

一方暑い日が続くとどうしてもビールということになる。併せて、最近はパイナップル味とかシークワーサー味とかおいしい酎ハイもたくさんあるし、新潟に行った時に安く入手できた久保田千寿も冷やで飲むと最高である。そんなこんなで毎日飲んでいるせいで体重が減らないんだろう。

前にも書いたことがあるがこのスポーツジムは隣村の村営である。それで私だと1回3時間800円かかる(それでも格安)のだが、村民だとほとんどタダみたいな金額で利用可能なのである。そして利用者の年齢構成はかなり高く(村だから)、半分以上は私より大分お年を召したおじいさんおばあさんである。

だから、お盆のまっ最中には来ないだろうと思っていたのだが、そんなことはなかったのである。ジムも一杯、ジャグジーも一杯、マッサージ椅子も一杯である。普段はほとんど私専用になってしまうジャグジーでは、アクアファイブ(5人が向かい合わせに座るジャグジー)で一緒になったおじいさんに、「今日は一杯だねぇ。暑いから」と話しかけられた。珍しいことである。

さて、そんな訳で最近暑くてあまり出歩く気にならず、会社が終わるとまっすぐ家に帰る日が続いている(土・日は岡山だったが)。だから先週・先々週のオンラインのポーカートーナメント(テニアン予選)も皆勤賞で、予想通りテニアン行きはならなかった。それ以外の日は、ほとんどレンタルビデオを見て過ごしている。

「TRICK」「富豪刑事」は全部見てしまって、いま見ているシリーズものは「古畑任三郎」。結構貸し出し中のことも多いので、そのときは映画とかを借りている。「下妻物語」とか「デスノート」とか「さくらん」(先週レンタル開始)とか。奥さんはいま「すいか」を借りていて、その中で小林聡美が「数字になんかこだわっていちゃいけない」というようなことを言っていた。

それを見て、「その通り。体重が問題なんじゃない。健康維持が大切なんだ」と言い訳をしているのだが、実はこのところ血圧がじわじわと上がってきている。暑い盛りに無理をするのはかえって良くないような気がするが、せめてビールは控えめにしようと思うのでありました。

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2007/08/13

いしいひさいち「がんばれタブチくん」

いま朝青龍問題で連日テレビに出まくりの師匠高砂親方。「うつ病とか、よくわかんないんだよねー」とTVカメラに向かって言ってしまうおバカさん加減に各方面から非難が出まくりであるが、実はあれは昨日今日始まった話ではない。1970~80年代初めにかけて現役だった当時の朝汐(のち朝潮、もちろんいまの高砂親方)は、いしいひさいちの「ワイはアサシオや」ですでにギャグのネタにされていたのであった。

その「ワイはアサシオや」と同じく1970年代後半に発表されたいしいひさいちの初期の代表作が、「がんばれタブチくん」である。この作品は、野次を飛ばされると松明(たいまつ)を持って野次った人の家に火をつけに行こうとするタブチくんや、ボールに顔を描いて魔球と呼ぶヤクルト・スワローズのヤスダ投手や、何かあると選手にグランド十周させて八つ当たりするヒロオカ監督が登場する4コママンガである。

本物の方の田淵選手は、六大学のホームラン記録を打ち立ててドラフト1位で阪神に入団したスタープレイヤーであったが、その頃阪神は長期低迷期にあり、観客動員数は巨人に匹敵する人気球団でありながら成績はほとんどBクラスというていたらくであった。こうした中、入団直後から急激に太りだし豪快な空振り三振をかますタブチくんは別名「タブタ」と呼ばれ、ファンからは低迷の象徴とみられていた。

こうした背景からこの「タブチくん」は非常にウケた。現実の田淵選手と同様、79年に新設の西武ライオンズにトレードされたタブチくんは「竪穴式住居」こと西武球場(当時はドームではなかった)でも活躍を続けたのである。その西武はヒロオカ監督が来て日本一になるのだが、その頃には大学からのポジションキャッチャーではなく、ファーストとかライトとか、あまり守備に期待されないところにコンバートされていたのであった。

マンガの中では、奥さん(ミヨ子夫人=前の奥さんがモデル)が「勝てるように、今日はトンカツよ!」とせっかく用意した料理を、「トンが勝つ・・・私はブタということですか」と非常にひがみっぽいのだが、現実の田淵選手は非常におおらかで、当たると痛いといって内角のきわどいコースのサインは出さなかったそうである。そんな具合だから監督には向かなかったものの、コーチには向いているようで北京五輪チームの打撃コーチでがんばっている。

それでも、王貞治の連続ホームラン王を阻止したのはタブチくんだし、六大学のホームラン王記録は田淵の前には長島茂雄が持っていた。選手としては超一流で、にわかに太りだしたからといって非難されるにはあたらない。それはアサシオも同様で、現役時代無敵を誇った横綱北の湖(現理事長)に唯一勝ち越していた上位力士が朝汐なのである。

ご存知のとおり、いしいひさいちは現在朝日新聞の朝刊4コマを描いているが、いまでもヒロオカ監督に似た人やヤスダ投手に似た人が登場する。これはいまを去ること30年前のこの作品がルーツなのでありました。

p.s.本編HPにもいろいろな書評を載せています、こちらへ。

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2007/08/10

実効支配(8) ~常識で考える日本古代史8

前回のあらすじ
古代日本が初めて中国(後漢)に朝貢した時代において、輸出商品であったのは生口(奴隷)であった。しかし、それから百数十年後の邪馬台国では、工業製品の生産がすでに行われている。その間劇的な社会構造の変化があったのではないか。

安帝の永初元年(西暦107年)に倭国から後漢に朝貢があったのだが、その後倭国に関して大きなできごとがあった。倭国大乱といわれる事件である。

桓、靈間、倭國大亂、更相攻伐、歴年無主(後漢書東夷伝)

訳:桓帝、霊帝の時代、倭国は大いに乱れた。戦いが絶えず、何年も王が定まらなかった。

この後、女王を立ててようやく国家が統一され、その女王は卑弥呼・・・と続くのだが、桓帝の在位は146-167年、霊帝の在位は167-189年だから2世紀後半の数十年間にわたって、倭国は混乱状態にあった、というのが中国側の認識であった。

混乱状態というと、約1200年後、応仁の乱の後に生じた戦国時代を想像してしまうが、実は戦国時代には、外国から見た場合日本は混乱(無政府)状態にあった訳ではない。地方分権と下克上が極端に進んだだけであり、国を代表する皇室も室町幕府も存続しており、戦国大名の大内氏はちゃっかり中国(明)に朝貢している。大乱というからには、それ以上なのである。

私の考えをいうと、この時起こったのは民族大移動だと思う。つまり、朝鮮半島南部と九州北部を拠点としていた勢力が、朝鮮半島南部の領土を追われ、追われた人々が九州北部に移動し、そのあおりを食ってそれまで九州北部を支配していた勢力が九州南部に追いやられ、その過程で戦乱状態となったということではないだろうか。こう考えると、かなり多くのことが説明できる。

まず第一になぜ大乱となったかということだが、土地を奪われた人々(つまり難民)が九州北部で平和にくらしていた人々の土地を奪うの