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2007/10/31

WBA世界フライ級タイトルマッチ展望

WBA世界フライ級タイトルマッチ(11/4、さいたまスーパーアリーナ)
○チャンピオン 坂田健史(協栄、31勝15KO4敗1引分け)
   挑戦者2位 デンカオセーン・カオヴィチット(タイ、40勝16KO1敗)

例のWBC世界戦後、亀田兄弟と協栄ジムはかなりのバッシングを浴びてまともな環境ではなかったものと思われるが、そうした中で協栄ジムのまともなチャンピオン坂田の防衛戦である。TBSには亀田兄弟戦のゲストで何度も登場していたが、おそらく内藤が完膚なきまでに大毅をやっつけてくれて、内心かなり安心したものと思われる。

ロレンソ・パーラ、ロベルト・バスケスときつい試合が続いたが、ここでも世界2位を選ぶというのはなかなか気概がある。1位は同ジムの亀田兄だから、実質的に最もランキングの高い相手を選んだということである。亀田兄や内藤と比較しても地味なボクシングの坂田だが、パーラ、バスケスを破り海外での評価は高い。意気消沈している金平会長のためにも、いい試合を見せたいところ。

挑戦者の戦績はすごいが、実はWBAのアジアタイトルPABAを数多く防衛しているもので、世界の一線級との試合は2002年のWBA世界戦、ときのチャンピオンであるエリック・モレルに11回TKOで負けた一戦のみである。

PABAタイトルというと思い出すのは、先日のWBCで大差負けした亀田大毅が世界ランク入りした時の相手ビッキー・タフミル。あまりレベルの高いタイトルとはいえない。年齢的にも峠を過ぎた31歳。世界戦5度、他にも現WBC王者内藤を含む多くの世界ランカーと対戦している坂田の方が戦績的にはかなり上といっていい。

デンカオセーンの戦績をみると、それほど名前の通っていない相手とも12Rまでやっており、長期戦のスタミナ比べになれば坂田の思う壺である。一発の破壊力はないがじわじわと連打で挑戦者の出鼻を叩いていけば、それほど危ない場面があるとは思えない。坂田判定勝ちが濃厚。

WBA・WBC・WBO世界スーパーミドル級タイトルマッチ(11/3、英カーディフ)
   WBA・WBC王者 ミッケル・ケスラー(デンマーク、39戦全勝29KO) +130
○WBO王者 ジョー・カルザゲ(英、43戦全勝35KO) -160

1998年以来10年間WBOチャンピオンを張っているカルザゲと、マルクス・バイエルをKOして2団体を統一したケスラーの世界的に注目される一戦。

最近の試合では、調子が良かったり悪かったりするのだが、昨年3月のジェフ・レイシー戦くらいの出来を維持していればカルザゲの馬力勝ちとみる。なにしろ、地元ウェールズの熱狂的応援の下で試合できるのが大きい。これに勝てば次はバーナード・ホプキンスという噂もある。

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2007/10/30

小林まこと「1・2の三四郎」

昭和53年から少年マガジン連載。アントニオ猪木をこよなく尊敬しブレンバスターを得意技とする東三四郎(あずま さんしろう)が、プロレス界で活躍するまでを描くスポーツ漫画である。

本編は3つの部分に分かれており、不本意な形でラグビー部を追われた三四郎が、親友の南小路虎吉、西上馬之助らとともに格闘部を立ち上げ、校内試合でラグビー部を破るまでが第一部、そのメンバーに参豪辰巳を加えて県の高校柔道界を制覇するまでが第二部、上京してプロレス界に身を投じ、空手日本一の鳴海頁二と組んで若手世界一を決めるタッグトーナメント戦で優勝するまでが第三部である。なお、続編である「1・2の三四郎2」ではファミレス店長から復帰した三四郎が、総合格闘技日本一になるまでを描いている。

作者の小林まことは、この中でも特に柔道には思い入れが強いようで、後に「柔道部物語」という作品も書いている。柔道時代の「エビ」「カニ」などの特訓や、「有効は何回取られても一本にはならない」というようなディテールは専門的である。ただ、「柔道部物語」には主人公や登場人物のカリスマ性がなく、分かるんだけれどもそれほど面白くないという印象があるのに対し、三四郎にはカリスマ性があり、そこがこの作品の最大の特徴になっている。

つまり、それまでの少年スポーツ漫画というのは多かれ少なかれ梶原一騎の影響を受けていて、「巨人の星」「あしたのジョー」に代表されるように、「男たるものスポーツは命がけでやらなくてはならない」「努力を積み重ねれば天才を上回る」というコンセプトがあったのに対して、三四郎の体現していたのは「常に本気を出す必要はない」「才能は努力を上回る」という、梶原一騎的哲学とは全く逆の方向性なのであった。

そのことを端的に示していたのが、プロレス編で三四郎の師匠となるプロレスラー桜五郎である(彼の名言が「格闘技に番狂わせなし」である)。桜五郎は京浜東北線鶴見近郊で「ひまわり保育園」を経営するかたわら悪役レスラーとしてリング復帰を志しているのだが、そのトレーニングたるや、平気な顔をして古巣である新東京プロレスよりハードトレーニングをこなすのである。そして、この作品に出てくる対決のほとんどで、努力を重ねるキャラクターは天才三四郎や馬之助の前に敗れ去ることになる。

おそらく高度成長時代には努力はいつか報われると考えても大きな間違いではなかったが、オイルショック後の世界では背伸びをし過ぎることはいつの日か破綻を招くということが明らかになり、天才がそのまま能力を発揮するという物語の方が現実に近いものと認識されるようになったと私はとらえている。

難しい理屈はともかく、三四郎がラグビー界から始まって、柔道界、プロレス界、総合格闘技界を制覇してしまうストーリーは何度読んでも楽しい。気が滅入った時にはぜひお勧めしたい作品である。

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2007/10/29

人間魚雷 広木幸生引退を惜しむ

先週の島田信広死去に続き、オートファンには寂しいニュース。川口所属で元SMAPの森且行がデビューするまでカリスマ的な人気を誇った「人間魚雷」こと広木幸生選手が先週ひっそりと引退した。まだ37歳であった。

若井、森の25期コンビ(97年デビュー)がデビューする前、川口オートは日本一の売上と日本一のスタンドで日本最弱の選手が走るオートレース場となっていた。かつて川口四天王と呼ばれた広瀬、篠崎、且元、阿部は全国最強の地位を譲り渡して久しく、牛沢や掛川といった若手は川口同士ではそこそこがんばるのだが他地区の選手とぶつかると軽くころがされた。その中で、ただ一人といってもいい光るレースをみせていたのが広木幸生なのである。

広木のレースはその戦闘力に最大の特徴がありまた魅力があった。オートレースは1周500mの楕円形コースを平均時速100km/h以上で走るのだが、高速・小回りで8車が競走する訳だから非常に危険である。だから、原則として前の車を抜く時は「外から」抜かなければならないと決められている。もちろん、外を回るということはそれだけ走る距離が長くなるということだから、多くの場合はインから抜く。その場合のルールは「十分な間隔がある場合に限り内側から抜くことができる」となっている。

「十分な間隔」とは何cmのことをいうのか?実は、そんな決めはない。このルールの解釈は、「インコースから抜いて、抜かれた選手が転倒したり大きく飛ばされたりしたらアウト、そうでなければセーフ」ということなのである。さて、広木は強いから他の選手より後ろからスタートする。前の選手を抜かない限り、彼から車券を買っているファンは損をする。その場合、十分な間隔があろうがなかろうが、前の選手のインコースに突っ込んでいくのが広木なのであった。

これを称して、常連ファンの間では彼のことを「人間魚雷」と呼んでいた。十分な間隔がなくても飛び込んでいくものだから、まるで前の選手を狙ってぶつかっていくように見える。また、この人間魚雷はよく命中して前の車を落車させた。落車させると反則失格となり、完走しても賞金はもらえないし車券の対象とはならない。ただ、どうしてそんなに落車が多いのかというと、川口の選手の多くは下手くそなので、後の気配を察してうまくよけるということができないということもあった。

こうしたレースは選手同士や主催者には大層嫌われて、何度も長期のあっせん停止(出場停止)処分を受けてしまったが、彼のファンは多かった。なぜかというと、おカネを賭けている側からすれば、抜けそうにないからといっておとなしく後ろを回っている選手より、なんとか車券の対象である2着以上になろうと必死になる選手の方が、たとえ外れてもあきらめがつくからである。かなりジャニーズ的なルックスなので、女性ファンも多かった。

わたしの経験で言うと、当時川口の選手で川口以外を走る時に買うことのできる選手は、広木だけであった。実際、山陽オート(山口県にある)に遠征したときに、よく広木から穴車券をとらせてもらった。おそらく、船橋とか山陽とかに配属されていたとすれば、もう少し成績も上がったし、こんなに早く引退しなくてもよかったのではないかと思われる(そう簡単に転倒する選手はいないので)。

そういえば誰だったかオートレース中継によく出てくるゲストが(ラブレター・フロム・カナダ"平尾昌晃だったかもしれない)が片平のことを「かたしらくん」、広木のことを「しろきくん」とよく言っていたことを思い出す(「しさかどくん」という選手もいる)。私の古きよきオートレース時代の選手が次々と去ってしまうのは非常に寂しい。心から引退を惜しむものである。

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2007/10/26

NFL WEEK8展望(ロンドン対決はマニング弟にしぶしぶ期待)

あー、なんとも間が悪い。ロスリスバーガーは信用が置けないのでこれまでスティーラーズを推奨しなかったのだが、私が推した時に限ってHCトムリンがパス主体のオフェンスで、ビッグ・ベンがインターセプトにファンブルに大活躍である。点差が開いてからは仕方ないが、なぜランディフェンス最下位のプロンコス相手に最初からランで攻めなかったのか理解に苦しむ。

そんなこんなで先週も負け越し、通算でも16勝17敗2引分け。今週は狙い目だったHOU@SDがサンディエゴ山火事の影響で延期ないしスタジアム変更の可能性大、またJAC@TBはJACのQBギャラードとRBジョーンズ=ドリューが負傷欠場見込で、それぞれ推奨ゲームから外さざるを得なかったのは辛いところ。

ロンドン対決は連勝vs連敗対決
○ニューヨーク・ジャイアンツ(NYG,5-2)-9
   マイアミ・ドルフィンズ(MIA,0-7)

注目のロンドン開催、ともに不慣れなグラウンドでどちらにとってもビジターであり、クラウドノイズがない分どちらにとってもホームである。ここまでの戦績は好対照で、NYGがWEEK3から5連勝。MIAが開幕7連敗である。

先週のPITで痛い目をみたように、信用できないQBの場合はできるだけランで攻めてほしいものである。MIAがエースQBグリーン、エースRBブラウンの負傷欠場で攻め手が限られており、マニング弟の暴発さえなければNYG。前にも書いたが、MIAは連敗中だが内容は悪くない。

QBの差が大
○インディアナポリス・コルツ(IND,6-0)-7
   キャロライナ・パンサーズ(CAR,4-2)

CARの先発QBがカーになるにせよテスタバーディになるにせよ、ここまで危なげなく6連勝しているマニング兄とでは差が大きすぎる。来週のNE戦を控えて、負けられないだろう。CARはディフェンスの前列4人の出来がゲームによって違いすぎるのが気がかり。

2度は負けない
   デトロイト・ライオンズ(DET,4-2)
○シカゴ・ベアーズ(CHI,3-4)  -4.5

早くも今期2度目の対戦。前回は第4クォーターだけで実に34失点して大敗したCHIだが、徐々に調子が上がってきてのホームで意地を見せそうだ。DETはここまでかなり出来過ぎの感があるが、ここを勝つようであれば地区優勝もありうる。

ディフェンス強力
   オークランド・レイダース(OAK,2-4)
○テネシー・タイタンズ(TEN,4-2) -7

現在までの地区別の勝ち星数をみると、AFC南地区が17勝(8敗)と、NFC東と並んで最多勝となっている。それだけ地区全体のレベルが上がっているということで、プレイオフ進出チームもこの中から出てくる可能性が高い。

TENはCB兼リターナーの”パックマン”ジョーンズのシーズン出場停止により戦力低下が懸念されたが、昨年の新人王QBヤングを中心に勝ち進んできた。特にディフェンスがすばらしく、ここまでランオフェンスでNFLトップの数字を残している。ここも通過か。

今週のUnderdog
○ワシントン・レッドスキンズ(WAS,4-2)
   ニューイングランド・ペイトリオッツ(NE,7-0) -16.5

ここまで7戦で、ほぼ1シーズン分のTDを記録してしまっているNEのQBブレイディとWRランディ・モス。来週にINDとの決戦を控えて、ここもエンジン全開である。ただディフェンスについては、ここまでNFL4位、パスディフェンスでは1位の実績を残してはいるものの、年齢層が高くそろそろ疲れが出て不思議ではない。

WASは勝つまでは難しいと思うが、MIAやBUFのように+16.5つけられるほど弱い相手ではない。RBポーティスやWRサンタナ・モス、ランドールエルが集中すれば、NEがあわてる場面も考えられる。WASのディフェンスも好調だ。

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2007/10/25

実効支配(17) ~常識で考える日本古代史17

1.6 神武東征から古代統一王権を推理する(終)

これまでの論点をまとめると、次のようになる。
① 神武東征神話が祖先から子孫へ伝えられてきたことから、畿内を支配している政権(大和朝廷)がもともと九州から出発したことは事実ではないかと考えられる。
② 神武天皇は畿内侵攻にかなり苦心しているが、その間九州から援軍が来たという内容も、政権確立後九州と意思疎通を図ったという内容も、古事記には書かれていない。だとすれば、当時の九州と畿内は統一政権が成り立つほど近い距離ではなかったのではないか。

このことは、神武東征以外の古事記の記載からもある程度裏付けられる。神武天皇により成立した大和における実効支配は、山城、河内、但馬、淡路といった畿内、尾張など東方十二国、北陸を指すと思われる越の国など、現在の中部・近畿地方の侵攻についてはかなり具体的かつ背景となる記述もみられるのであるが、それ以外の地方、九州だけでなく中国・四国、関東といった地方はそれこそ「ヤマトタケルが単騎、暗殺して回った」世界なのである。

また、古事記により第十一代垂仁天皇までの天皇の妻たちをみると、九州出身の神武天皇を除き、すべて畿内ないしその周辺地域の出身者である。第十二代景行天皇に至ってようやく数多くの妻の一人が日向出身であるが、この天皇は例のヤマトタケルの父であり、続く成務天皇、仲哀天皇ではいきなり九州(筑紫)に遷都したことになっていて、どうも操作されているような疑いのある部分である。いずれにせよ早い段階で日本列島が統一されていたとすれば、通婚圏が拡大しないのは妙である。

さらに古事記をよく読むと、天皇の行列に似せた行列であるとか、天皇の住まい(皇居)に似た建物であるとかいうことに対し、かなり敏感に反応し咎めだてする記事がある(雄略天皇他)。よく地方の古墳に行くと、「大和朝廷が中央集権国家を完成し、地方の有力者に古墳を認めることにより、体制強化を図った」などという説明文があるのだが、基本的にそうとは考えられない。貴重な余剰生産力を使って、当の中央集権国家の王より大きな墓を作らせるはずがないと考えるのが常識である。

古事記については他にもいろいろ面白い記述があるので、別の機会にまた触れてみたいが、基本的に、神武東征と畿内制圧くらいが具体的な軍記であり、あとはほとんどが女がらみの事件簿と、暗殺、だまし討ちの記事ばかりである(と言ったら言い過ぎだろうか?)。そこから想定されるのは、そもそも大和朝廷が実効支配していたのは畿内と周辺の一部地域であって、それ以外に支配は及んでいないのではないかということである。

つまり、少なくとも古墳時代前期(4~5世紀)には日本列島に統一政権は成立しておらず、軍団が容易に到達できる地域ごとの実効支配が複数あったというのが私の意見である。

この時期までに大和朝廷が統一政権を確立していないというもう一つの傍証がある。仮に、近畿を拠点とする軍団が日本全土を制圧した事実があったとしたら、「近畿の軍隊は強い」ということが各地にインプリンティング(刷り込み)されていなければおかしい。ところが、かなり早い時代から、近畿の軍団は弱いというのが常識なのである(強いのは、坂東、奥羽、九州とされる)。

p.s.「常識で考える日本古代史」のホームページができました。こちらへ。次回からはいよいよ第二部「魏志倭人伝」に入ります。読んでね。

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2007/10/24

久々に勝ったど ~ポーカーの奥深い世界50(続き)

まずぶつかったのはGさん。フロップKJTAQを持っていてフロップストレート、しかし2枚がスペードである。ここでGさんベット。コールでおとなしくターンを開けたらいつものようにスペードが出るに違いない。まず下りてくれないとは思うけれど、ここは行くしかないとポットレイズ。Gさんコール。セイムハンドかと思ったのだが、まくり狙いだった。ここを逃げ切ってIさんとのへッズアップに持ち込む。

私のボタンでボードはJJ8。Iさんチェック、私もチェック。ターン。Iさんチェック、私チェック。特に事件は起きていないような展開だが、なんとこの時、IさんJ6持ちのJフル6、私J8持ちのJフル8と二人ともフルハウスができているのであった。それで打たないのだから、人の悪さはどっちもどっちである。リバー。ここでIさんベット、私ポットレイズ、Iさんコール。4ヶ月ぶりの勝利が見えた瞬間である。

そういえば、6月の今年初勝利もIさんとのヘッズアップだった。そのことを上野の店長ジョシュことShadowさんに鋭く指摘されてしまったが、ともかくうれしい今年2勝目、まあ年末までに両目が開いて良かったとしみじみ思うのでありました。

さて1時間後には後半戦のストラドル杯メイン、こちらもこのところ全くと言っていいくらいだめぽである。しかし、前半戦の調子が続いていたのか、5000点スタートの8000点くらいまでチップを増やして中盤戦へ。4テーブルが3テーブルになってしばらくして私のBB、INさんがショートでオールイン。約2000点の上乗せでコールでできる。ハンドはKhThと悪くない。INさんがA持ちでもハイペアでも、KK以外ならそこそこ勝負になるし負けても原点に戻るだけだ。「コール!」

この選択自体が間違っていたとは思わないのだけれど、ここで私はたいへんなミスをしていた。下家に座っていた上野の大将がリンプインしていたのを見逃していたのである。私のコールに対し大将はオールイン。負けても原点どころか、負けたら大幅にショートすることになってしまった。しかしここまで来たら下りられないのでさらに1500点上乗せしてコール。INさんはQQとほぼ想定どおりだったが、大将はA3。やられたという感じである。

結局ボードにはAもKもQもTも落ちず、スト目フラ目もなく、3人中3位でざっくりとチップを減らす。そして次のハンドの55でオールインしたら、大将に今度はAAで受けられて、万事休した。そこそこ勝負になるところからたった2ハンドで7000点以上減らしたのは残念だったが、まあ前半戦良すぎたのでこんなもんでしょう。

というわけで何とか4ヶ月ぶりに2勝目を上げた訳ですが、まだまだ本調子には遠く、しばらくは週1ペースで運気が戻るのを待つことになりそうです。

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2007/10/23

久々に勝ったど ~ポーカーの奥深い世界50

このところ、負け続けているせいかポーカーになかなか足が向かない。

かつて週3~4回は平気でやっていたのに、週2回になり、最近ではとうとう週に1回である。ともかく全く勝てない。今年に入ってからの成績は、1勝するまでたしか2着が10回だか11回だかあった。その後もテニアン予選のオンライントーナメント2着をはじめ負け続けて、ここまでの通算では1勝16敗か17敗か、とても信じられないような数字になっているはずだ。

ヘッズアップで弱いのだから、当然じゃんけんも弱い。先々週の土曜日は久方振りに見たAAポケットでフロップが出てセット。しめしめ、久しぶりにスロープレイができるぜと思っていたら、ターンで2枚目のスペードが出る。下りてくれオールインをしたのだが、下りてはくれない。フルがあるので7アウツしかないのに、しっかりリバーのフラッシュでまくられた。こんな調子である。

そして一週間のインターバルを置いて、土曜日はストラドル・デイである。1時スタートの前半戦スト杯ミニ、この日はオマイハイのポットリミットである。ハイのみのオマハはあまりやったことがないが、私のつたない経験でもハイローと同様高い役でないと勝てないということは分かる。そしてまくり目はいっぱいあるから、どこで打って(ベットして)いくか難しい。とにかく今年の私ときた日には、引きに行ったら引けないしまくり目は4アウツもあれば引かれてしまうという絶望的な状況にあるからである。

そんな近況にもかかわらず、この日はなぜか調子がいい。フロップ355、ターンというボードで、なぜか手の内にはA456とあった。現時点最強のフルハウスである。ホールデムなら当然チェックで回して誰かにストレートやフラッシュができるのを待つのだが、オマハだとそんな悠長なことはしていられない。もう一人の5持ちが(これは必ずいると考えた方がいい)もしKQJと持っていたら、まくり目は9アウツもある。下りてくれオールインをしたのだが、もちろん下りてくれない。やられたと思ったのだが、奇跡的にハイカードは出ずに大きなポットを獲得。

そんなこんなで、3000点スタートが8000点くらいまで増えた。あとはおとなしくして勝負どころを待ち、どこかで仕掛けるだけである。そして目論見どおり、なんとか入賞ポイントの付く残り6人までこぎつける。ここで、Yさんのオールインにコールした時に運良くフラッシュが完成し10000点を超えた。ここからさらにおとなしくして、Gさん、Iさんとの残り3人となる。チップ量は3人同じくらいで12000点前後。いよいよ勝負どころである。

最近この2人と残ることがよくあるのだが、大抵の場合私が最初に飛ぶことになっている。ブラフだと思ってついて行くとマジ手だし、打たれて下りるとなんだかブラフくさい。そういえば、先々週も夜のオマハハイローで3人残って、私が最初に飛んだ。ともかく、チップ量で劣位になると巻き返すのは非常に難しいので、チップ量があるうちに先手先手で仕掛けていくのみである。最終的にじゃんけんで負けるのは、いまの運の弱さからいったあきらめる他はない。(この項続く)

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2007/10/22

追悼 島田信広

「オートの鉄人」と呼ばれ、私のホームグラウンドである船橋オートで一時代を築いた島田信広元選手が先週食道ガンのため亡くなった。享年57歳。選手時代の登録地は長野だったが、うちの近所の成田赤十字病院ということである。

同い年の飯塚将光(選手デビューは島田より2年早い)が20代から大活躍し、それまで最強だった川口から船橋へと「オート界最強」の座を奪った。その頃、島田は一流の下の方、そこそこ強いのだが全国区になると今一歩実績が上がらないという選手だった。さらに6年後輩になる岩田行雄が頭角を現し、次の時代は岩田とみられていた昭和60年代、なんとそろそろ40歳になろうとする島田の躍進が始まったのである。

他の競技と同様、オートレースも強い選手は若い時から強い。もちろんオートバイに乗って行うレースだから年齢による実力の低下は目に見えるほどではないが、それでも一瞬の判断や反射神経の衰え、落車によるダメージや振動による体力の低下の影響など、普通は30代の半ばを過ぎると成績は下がってくるのが普通である。実際、同い年の飯塚はその時期から下り坂にさしかかっていた。

しかし島田は、この時期から再上昇し全国区の選手に成長したのである。活躍し始めた時期は、なんと12年後輩になる片平巧と重なる。20代半ば、まさに伸び盛りの片平と、本来なら「昔は強かった」と言われるはずの40代島田が、オート界のトップを争った。オートレース界の最高峰であるスーパースター王座決定戦で、平成2年から島田が5連覇、7年から片平が4連覇と、約10年間、オート界はこの二人を中心に回ったのである。

ちょうど私がオートレースに足繁く通うようになった時期、船橋オートはこの二人がしのぎを削っていた。普通開催で、それこそ気が向いた時に行ってもオートレースの最強メンバーが見られるのだから、全国一オートレースをやるのに恵まれていたといえるだろう。また、大レースで浜松、山陽、飯塚に遠征しても、この二人をはじめ船橋の選手を中心に買っていればいいのだから、予想が非常に楽であった。

島田に話を戻すと、彼のレースの特徴は苦手な部分がないということであった。これは、長らく一流の下あたりで積んできた経験が生きていたと思うが、タイムが早い上に差すのが巧く、晴でも強いのに雨だとさらに強い。

オートレースは1周500メートルのコースを平均時速約100kmで回るのだが、200mもない直線を時速150kmくらいで飛ばし、急減速してコーナーを回らなければならない。その際、インコースを回れば前の車を抜きやすいかわりにコーナーがきついのでスピードが出しにくいし、アウトコースを回ればスピードは出しやすいけれどもインに入られるので抜かれやすい。だから、一流選手でも得意不得意があり、例えば片平、岩田はイン、飯塚、高橋貢(伊勢崎)はアウトが得意なコースである。しかし、島田はその両方が得意なのであった。

また、雨が降ってコースが濡れると当然滑りやすくなるので、40mとか50m後ろからスタートしなければならない一流選手は(オートレースは距離のハンデがある)雨になるとなかなか上位には来れない。前を抜くためにはできるだけインコースに入るべきなのだが、晴れの時よりやや外よりにコースをとらなければ滑ってしまうからである。しかし島田は、雨でもイン・アウトをうまく使って、気がついてみると先頭に立っていた。

なつかしく思うのは、いまや若手というより中堅選手となった池田政和(船橋)や浦田伸輔(飯塚)が売り出し中の頃、予選レースは大差でぶっ千切って勝ち進んでくるのに、準決勝あたりで島田と当たると何十メートルと開いている差をあっという間に詰められて、残り2周くらいで抜かれて逆に大差をつけられてゴールというレースを何回もみたことである(これが片平だと、残り半周でちょうどつかまえる)。

いまやオート界最強は片平から高橋、池田時代を経て平成11年デビューの田中茂(飯塚)が席捲している。一方で、飯塚将光をはじめ、小林啓二、篠崎実、阿部光男(先日亡くなったノリックのお父さん)、鈴木章夫といった島田と同年代ないし上の選手が走っているのをみると、まだまだやりたかったことがあったに違いないと思う。謹んで、ご冥福をお祈りしたい。

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2007/10/19

NFL WEEK7展望(推奨は好調のPIT)

今週の火曜日まででトレード期限が切れ、各チームは現有戦力で今シーズン一杯戦わなくてはならない。内心期待していたアリゾナ・カーディナルスが、主戦QBライナートに続きカート・ワーナーまで負傷し、先週はティム・ラティ(昨シーズンバッカニアーズにいた)が急きょ出場。一方のキャロライナ・パンサーズもデローム、カーと倒れて大ベテランのテスタバーディ(昨シーズンはペイトリオッツ)が先発するというすごいゲームもあった。

中盤戦もたけなわとなっているが、どうもシーズン前の予想とは戦力に違いがあるようなチームが見受けられる。その代表はAFCではベンガルス、NFCではベアーズだろう。ともにプレイオフは確実だと思っていたが、どうもこのままでは厳しいようだ。先週の予想は2勝2敗1引分けと五分。通算でも14勝14敗2引分けと全くの五分である。今週は、なぜかビジターに偏ってしまった。

好調PITのランニングゲーム
○ピッツバーグ・スティーラーズ(PIT、4-1) -3.5
   デンバー・ブロンコス(DEN、2-3)

ここまで4勝1敗と好調のPITだが、ここまで推奨してこなかったのはインターセプト癖のあるQBベン・ロスリスバーガーを新任ヘッドコーチのマイク・トムリンがどう使うのか分からなかったからである。しかしここまでのゲームをみると、オフェンスはあくまでラン中心でビッグ・ベンにあえてパスをさせるつもりはないようだ。

これは非常に賢いやり方で、リヴァースに変にパスさせるSDのノヴ・ターナーよりかなりいい。WRウォード、DTハンプトン、SSポラマルも戻ってくる今週からさらに調子は上がりそうで、どうやらAFC北地区で独走しそうな気配である。その流れで行くならば、今シーズンラン・ディフェンスがNFL32チーム中32位のDENにはちょっと厳しいだろう。

NYGの5連勝?
○サンフランシスコ・49ナーズ(SF、2-3)
   ニューヨーク・ジャイアンツ(NYG、4-2) -9

ティキ・バーバーの引退により戦力ダウンが予想されたNYGだが、ここまで4勝2敗と好調である。マニング弟がそこそこがんばっている上、ディフェンスも好調でサックを量産している(NFLトップの21)。勝つ時は大差をつける傾向は昨シーズンと同様であるが、ちょっと見には大崩れしそうにない印象を受ける。

一方のSF、開幕2連勝のあと3連敗だが、QBアレックス・スミス負傷の影響もあった。このゲームからスミスが復帰する見通しであり、ディフェンスだけみるとさほど悪くはない。大きなハンデがついているが、それほど力の差はないはず。もちろんNYGが爆発して大差という可能性もあるのだが。

ルーキーRBピーターソンに注目
○ミネソタ・ヴァイキングス(MIN、2-3)
   ダラス・カウボーイズ(DAL、5-1) -9.5

MINは先週、ルーキーRBエイドリアン・ピーターソンがランとリターンで大活躍、ほとんど一人でシカゴの強力ディフェンスを粉砕した。現在、2位のトムリンソンに80ヤード差をつけてラッシングヤードトップに立ち、新人王に最短距離である。

DALは先週、懸念されたトニー・ロモのブレーキこそなかったが、NEに力負けした。ホームゲームでもあり快勝でリスタートを切りたいところだが、どうもオフェンス、ディフェンスとも調子が下がってきているようにみえる。9点差は微妙なところか。

もう一回だけCHIに期待
○シカゴ・ベアーズ(CHI、2-4)
   フィラデルフィア・イーグルス(PHI、2-3)-5

先週MINに敗れて地区最下位に転落したCHI、開幕前は地区優勝確実とみられたのだが、予想外の調子落ちである。もとはといえばグロスマンで足りると考えていたフロントに問題がありそうだが、ここまでくると、とりあえず体制を立て直すことが必要だ。

幸いに、オフェンスはQBグリーシーが水準程度の仕事はするようになった。ディフェンスの負傷者さえ戻れば、まだまだ捨てたものではない。一方のPHI、QBマクナブに往年の動きがみられず、CHIがやる気を失っていなければロースコアゲームになりそうだ。

マンデーナイト
○インディアナポリス・コルツ(IND、5-0) -3
   ジャクソンビル・ジャガース(JAC、4-1)

先週はバイウィークでお休みだったIND。負傷欠場していたRBアダイ、WRハリソンがどうやら戻ってくる。昨シーズン苦労した同地区のビジターゲームだが、テネシー、ヒューストンとクリアしてきており、ここも通過する勢い。今シーズンはディフェンスが崩れていないところが強み。WEEK9のNE戦まで、全勝で行く可能性が大。

一方のJAC、4勝1敗とここを勝てば地区優勝という声も上がっておかしくないが、どうも好不調の波が大きいところがある。先週のヒューストン戦は楽勝したが、QBギャラード、RBジョーンズ=ドリューといったところが引続き安定した力を発揮できるかどうか。わたし的には、どうも-3では厳しいように思う。

p.s.本編HPにデータ集や星取表が載っています。こちらへ。

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2007/10/18

実効支配(16) ~常識で考える日本古代史16

1.6 神武東征から古代統一王権を推理する(3)

前回のあらすじ
遠く九州から出発した神武天皇が、苦難の末橿原宮に即位するまでの「神武東征神話」は、現実に6世紀には大和朝廷が近畿地区を実効支配していたことから、全くの創作であるとは考えられない。

古事記に記されている九州地区から奈良・大和を制覇するまでに必要だった期間は20年+α、その間、イワレヒコ(神武天皇)の軍勢が本拠地である九州に戻って体制を整えたとか援軍が来たとかいうことは書いてない。ここから導かれるのは、九州に成立している政権と、神武天皇が打ち立てた畿内の政権は全く別物で、血縁関係があるとしてもそもそも別の実効支配として成立したということではなかろうか。

その論拠としては、まず前述のように古事記自体に出発点から橿原まで、九州から援軍が来たという記述がないことである。当時(倭国大乱)以降九州地区には数十万の人口がいたと考えられ、彼らが総攻撃するとすれば少なくとも数千、普通に考えると二万程度の兵力はあったはずである。

しかし、神武軍勢の規模は小さく、しかも二十年の期間をかけて畿内に進軍し、その間少なくとも二度、全滅に近い敗戦を余儀なくされている。九州にあった統一政権の東上とみるには、あまりにも規模が小さいのである。そして、何かあったときに援軍を送れないならば、それは領土とはいえない。つまり、出発地である九州では、領土と認識していなかったということである。

そして、橿原宮に即位したとされる神武天皇の政権が、九州と連絡をとった(余剰生産物を確保し移送した)という記述もない。九州政権が畿内を統一したのであれば、当然あるべき記載である。余剰生産物を自らの意思で確保し処分したとすれば、それは統一政権ではなく、それぞれの実効支配である。

古事記の記載でも、税の記載が初めて登場するのは11代崇神天皇(ミマキイリヒコ)である[初めて男の弓端の調・女の手末の調を貢らしめき(初めて、男には狩りの収穫物、女には糸や織物を税として献上させた)]。そして、その税をどこかに納めたとは書いていない。

そして、崇神天皇伝に至って、初めて奈良以外の畿内(いまの京都・大阪)、越の国(北陸地方か?)、東国十二国(東海地方か?)征服の記事が登場する。熱田神宮が名古屋にあること、継体天皇が北陸から上京したことから考えて、大和朝廷の勢力圏がここまで達していた可能性は大きい。しかし、関東や九州の制覇は12代景行天皇の御世にヤマトタケルが単独で、しかも敵の大将を暗殺するという形で行ったことになっており、どうにも信頼性に乏しい

そして、繰り返しになるが征服活動というのは余剰生産力と蓄積された富を目的として行われているにもかかわらず、巨大古墳は、全国各地に存在するのである。判明しているものだけでも、全国に数十の古墳群、数百の古墳が存在する。そしてそれらの多くは、4~6世紀に建造されたはずなのだ。

つまり、全国各地に余剰生産力を自分の思うとおりに使うことのできる人達がいたということである。余剰生産力を自由に使えるということは、その地域を実効支配していたということを意味すると考えてそれほど大きな間違いはなさそうである。(この項続く)

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2007/10/16

内藤・亀田大毅戦の戦略(?)論(続き)

今回の内藤戦、タイトルマッチが決まってからも亀父がさんざんゴネたという情報が流れている。長男はともかく、次男が内藤に勝てないことは火を見るより明らかなのだから、その考えは正しい。しかし、結局のところ亀父はTBS・協栄ジムに押し切られた。観客動員も視聴率も下ってきている上に、スポンサー(広告企業)もどんどん離れていっているからである。

そしてここが亀父の亀父たるところなのだが、勝てそうにないならどうやってダメージを最小限に留めるかと考えるべきところをそうせず、反則でも何でも使って勝つ、でなければ試合をぶちこわしにして訳を分からなくしてしまおうと考えたのである。ファーストクラスに乗れなければビジネスでもエコノミーでも飛行機に乗れればいいやと考えず、ファーストに乗せないなら妨害して飛ばさないということである。

亀父にとって、自分を賞賛しない世間など受け入れられるものではない。試合が迫るにつれ、亀父の中では自分をこんな境遇に追い込んだ世間、TBSや協栄、そして本物の権威(チャンピオン)である内藤への憎しみが、おそらく膨れ上がっていっただろう。

加えて、有明コロシアムのあの雰囲気である。会場の大部分が内藤コール、大毅にはブーイング、内藤のトランクスにはスポンサーいっぱい、亀田家のスポンサーはどんどん引き上げである。頭に来た亀父は、レフェリー注意の時に「しゃー、なんやこら!」と内藤を威嚇するに至ったのであった。

しかし、TKO狙いで傷口を狙い打ちする(そのために、リングを規程より狭くし、床も動きにくいように柔らかな素材を使った)作戦は、もともとそこまではボクシングだから内藤チャンピオンには通じなかった。それで、おそらくはTKOが難しくなった7、8Rあたりから、「試合そのものをぶちこわす」つまり反則作戦に出たのである。

これは、単にインターバル中に指示したかどうかという話ではない。おそらく報道陣をシャットアウトした試合前何日かで、集中的に指示し練習したのではないか(でなければサミングなんてそう簡単にレフェリーの目を盗んではできない)。だから試合直前興毅は何やら引きつったような顔でインタビューを受けていたし、12R前の指示「最後やからな、やってこい!」と言われて大毅がサイドスープレックスを繰り出したという訳である(ちなみに、以前の試合でもあれをやりかけたことがある)。

結局のところそれ以上のことはできず(大毅も疲れていてガードをするだけで精一杯)、そうでなければ中差の判定で済むところが大差の判定になって言い訳がきかなくなった上に、減点と明らかなボクシングルールからの逸脱という証拠によって処分を受けた。亀父の思惑は完全に外れ、ボクシング界に彼のいる場所はなくなってしまった。ファーストじゃなきゃ嫌だと駄々をこねた末に、エコノミーにさえ座れなくなったのである。

無期限というのはJBCに頭を下げない限り復帰できないということだから、おそらく亀父絡みの試合が組まれることは今後ないだろう。大毅は、ボクシングが好きではないからあまりショックはないかもしれないが、再びリングで脚光を浴びることはない。問題は興毅で、彼の才能はこのまま潰してしまうにはあまりにも惜しい(JBCもそう思ったから厳重戒告にとどめた)。

興毅がリングに戻るためには、興毅自身が「キャンセル待ちでも結構ですから」という謙虚な気持ちを天下に示した上で出直すことが必要である。亀父にそれを期待するのは無理だが、興毅にそれができるかどうか。なんとか共倒れは避けてほしいとは思うのだが。(なんとなく、興毅だけはお詫び会見をするような気もしている)

p.s.本編HPに内藤・大毅を最初からまとめました。こちらへ。

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2007/10/15

内藤・亀田大毅戦の戦略(?)論(その1)

亀田史郎 セコンド資格無期限停止 
亀田大毅 ライセンス停止1年間 
亀田興毅 厳重戒告
興毅にも(なお、試合のセコンドに入ることを禁じます)くらい入れても良かったと思うが、まずは妥当。かなり重い処分である。

(ちょっと長文になったので、今日・明日で半分ずつ掲載します。)

世の中に受け入れられない人にありがちな傾向として、世間的な価値観とか権威といったものを否定することがある(私にも非常に覚えがある)。そしてそれと同時に(全く矛盾するのだが)、賞賛されたい、評価されたいという思いもまた強烈にあるのではないか。

亀田史郎氏(亀父)の場合、おそらくはその個人的な資質により、長らく世の中に受け入れられなかったのであろう。だから、少しは身に覚えのあるボクシングを息子達に教え込んだ。世間並の価値観など否定しているから、学校に行かせなくてはとか人様に迷惑をかけないように育てるとかいったことは考えない。ただひたすら、息子を強くして金を稼ぎ世間の奴らを見返すことしか頭になかったものと推察される。

同じようなことを別の道でやろうとする人達は多い(いわゆる教育・・・以下自己規制)が、彼の場合目の付け所がよかったのと、たまたま長男に非常にボクシングの才能があったことから、それはうまく行った。彼は望みどおり金を稼ぎ、TBSその他社会的地位のある人達から下にも置かない扱いを受けることができた。まさに世間の奴らを見返すことに成功したのである。

だから、亀父の望みは、いま(タイトル戦前)の状況が永遠に続くことであった。もともと世界チャンピオンがなんぼのもんやと思っているし、外国から負けにやってくる選手を相手に、世界前哨戦と銘打って延々と「亀田場所」をやっていればよかったのだ。だから、「最年少世界王者」などという記録をキャッチフレーズに視聴率を上げようとするTBSの思惑など、実は迷惑以外の何者でもなかった。(この項続く)

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内藤・亀田大毅戦の技術(反則)論

今日、JBC(日本ボクシングコミッション)の倫理委員会が開催されて、亀田父子の反則・反則教唆に対する処分が決定される。大毅本人と以前観客との騒動で厳重注意を受けている亀父のサスペンド(ライセンスの停止)という線が強くなってきているが、今日・明日で今回の世界タイトルマッチを総括してみたい。今日はまず、今回の試合の技術面に絞って議論してみる。

今回の試合、12Rの自殺行為は明日の問題として取って置くとして、それまでの試合展開についてどう評価するかというと、一言でいって亀田大毅の大健闘である。これはおそらく、ボクシングを見慣れた人ならかなりの部分が認めるのではないかと思う(全員ではないにせよ)。

直近の2つのタイトルマッチ、WBAフェザー級のクリス・ジョンと武本、WBAスーパーフライ級のムニョスと相澤、いずれもワンサイド、チャンピオンがほぼフルマーク(1Rも落とさない)のTKOないし大差判定勝ちである。しかし今回の内藤・大毅戦は、反則減点を除くと、私の採点でもジャッジの一人の採点でも3ラウンドを大毅に与えている(あとからもう一度VTRを見たら2Rがせいぜいだとも思ったが)。ラウンドで9-3ということは普通に行けば117-111の6ポイント差で、決して圧倒的大差ではない。

実際、内藤はもちろんだが大毅にもダウンに近い状態はなかったし、最終ラウンドも、「もしかしていいのを一発もらったら内藤でもダウン取られるんじゃないか」と心配になるくらい、大毅のパワーは残っていた。それに、内藤の強打をかなり受けていた(ボディーが大部分だが、顔面にも入っていた)にもかかわらず、けろっとして向かっていったタフネスは、なかなかのものであった。だからこそ内藤は試合後に、「さすがに練習しているだけあって、予想以上にやりにくかった」と認めたのである。

そして、反則云々で全てけしからんという論調になってしまったが、実力で劣る挑戦者が、レフェリーストップされそうな古傷を持つチャンピオンの傷口を狙っていくというのは、それがクリーンファイトなのかスポーツマンシップに則っているのかはさておき、作戦として当然といえば当然なのである。問題は、大毅がそうしたこと(反則行為)を見つからないようにやれるテクニックがなかったということなのだ。

例えばレスリング行為(投げ)をするのなら、パンチを振るって行って相手がクリンチしてきたところを振りほどくようにすれば、「あいつが組み付いてきたから仕方なくああなった」と言える。またバッティングでも、パンチを出しながら頭が前に行けば誰にも咎められないのに、パンチを出さないで頭だけ出せばそれはただの頭突きである。確かトリニダード戦だったと思うが、ホプキンスが右強打を決めたその動作でショルダータックルをかましてダウンを取った試合があったが、要はそういうことである。やり方が下手くそなのだ。

兄の興毅が「ヒジでもええから、目に入れろ」というようなことを言った音声がテレビで流れたが、そんな高度なテクニックは大毅にはない(言う以上、興毅にはあるのだろう)。そんな実力差がありながら、大毅はあれだけがんばった。大したものである。これまで私は大毅には日本ランキングの力もないと言ってきたが、先日の動きはこれまでのベストで、日本ランキングに入るくらいの力はあると認めるにやぶさかでない。

だからあの試合、12Rに当たらなくてもいいからパンチを振り回し続け、ラウンド終了のゴングまで攻め続けていれば、そして試合終了後本人だけでもいいから内藤コーナーにあいさつ(頭を下げなくても)していれば、道中あれだけ反則を繰り返していたにもかかわらず、大毅に対するボクシング界の評価(=商品価値)は試合前より全然上がったはずなのだ。これは断言してもいい。

にもかかわらず、なぜにあの一家はそれができなかったのか。それは明日また。(この項続く)

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2007/10/13

アクセス新記録達成しました

昨日(10/12)のアクセス数は2,397件で、1日の新記録を達成しました。ご愛読感謝いたします。[もちろん、亀田効果でした]

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2007/10/12

NFL WEEK6展望(そろそろCINの空中戦)

先週はまたひどい目にあいました。まさかトニー・ロモがあんなにインターセプトを連発するとは。しかもそれでも逆転勝ちし、ハンデ負けになるとは。これでこそ実力紙一重のNFLということですが、あまりこういうことが続くと気がめいります。先週2勝3敗で、通算では12勝12敗1引き分けと、スタートラインに戻ってしまいました。

それにしても、今シーズンはUnderdogが強い。シーズンも中盤戦に入り、ケガで今シーズンoutという選手も出てきています。こうなると、選手層の厚さ(デプス)が物を言うわけですが、NE、INDといった強豪チームは負傷者に無理をさせず、それでも勝ってしまうのだからやはりたいしたものです。

得意の空中戦が炸裂
○シンシナティ・ベンガルス(CIN、1-3) -3
   カンザスシティ・チーフス(KC、2-3)

一昨年プレイオフのCINと昨年プレイオフのKCが、いずれも黒星先行の厳しいスタートである。原因ははっきりしている。CINは毎試合のように崩壊するディフェンス(32チーム中30位)、KCはRBラリー・ジョンソンの不調に代表されるオフェンスの停滞(32チーム中28位)である。

逆にCINのオフェンスとKCのディフェンスは計算できるが、いずれにせよKCの持ち味は地上戦なので、ラリー・ジョンソンがこの調子ではCINの空中戦が試合を支配しそうだ。負けてはいるものの、チャド・ジョンソンもハシュマンザーダも機能しており、バイウィーク明けでリフレッシュされていることを期待。

鉄壁ディフェンス復活
   ミネソタ・ヴァイキングス(MIN、1-3)
○シカゴ・ベアーズ(CHI、2-3) -6

先週のGB戦は狙い目だったかもしれない。QBグリーシーがまたもやインターセプトを献上、ランも全く出なかったにもかかわらず結局最後はターンオーバーから逆転した。CHIの面目躍如といえるゲームであった。ただ理想をいえば、CHIのベストゲームは得点を許さず9-0とかロースコアゲームに持ち込むことなのだが。

今週の相手はMIN。ルーキーRBエイドリアン・ピーターソンは4試合でラン388ヤード、パス166ヤードを達成しオフェンス新人賞をリードしているが、ルーキーに走り回らせるほどCHIディフェンスは甘くはない。NFLの厳しさを示してほしいものである。

特急停車
○ワシントン・レッドスキンズ(WAS、3-1)
   グリーンベイ・パッカーズ(GB、4-1) -3

あれよあれよという間に4連勝まで行ってしまったGB、ファーヴの新記録もスピード達成したが、先週は満身創痍のCHIに逆転負けして特急列車がストップした。ここで再び巻き返すのか、あるいはこれまでの貯金を吐き出すのか。

とはいえ、WASのディフェンスは今年のCHI以上に堅い。加えて、好調のランドールエルに大黒柱サンタナ・モスが復帰してくるはずで、オフェンス陣も一枚上。ビジターではあるが普通にやればWASの勝ち。

全勝対決
○ニューイングランド・ペイトリオッツ(NE、5-0) -5
   ダラス・カウボーイズ(DAL、5-0)

先週は5インターセプト、2ファンブルと大荒れのトニー・ロモ。結局大逆転で勝ったものの、WRオーエンスはじめオフェンス陣の信用はガタ落ちである。実は昨シーズンも終盤1勝3敗と崩れていることから、いったん不調となるとなかなか復活しないおそれがある。

したがって全勝対決ではあるが、問題はDALがきっちりゲームできるかどうか。かたやNEは5ゲーム連続して3TDパスを続けており、新戦力のWRモスも絶好調。

AFC西地区首位決戦
○サンディエゴ・チャージャース(SD、2-3) -10
   オークランド・レイダース(OAK、2-2)

WEEK5が終わって、AFC西地区の首位はなんと昨シーズン2勝しかあげられなかったOAKである。もちろんその最大の要因は今週の相手SDの出遅れだが、出場停止が解けたRBドミニク・ローズ(INDから移籍)も加わり、戦力的にはさらに充実する。

とはいえ、先週ビジターでもDENを圧倒したSDがここもあっさり通過して地区首位を奪回するとみる。なんといってもトムリンソンの出来が鍵で、ここも100ヤードを突破すればようやく本調子だ。

p.s.本編HPにNFL星取表その他のデータ集があります。こちらへ。

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2007/10/11

内藤、国民の期待に応える

WBC世界フライ級タイトルマッチ(10/11、有明コロシアム)
チャンピオン 内藤大助 ○ 判定(3-0) × 挑戦者 亀田大毅

試合終了するやいなや、採点結果を聞いたのかというタイミングで亀田一家はチャンピオンコーナーのみならずファンにも関係者にもあいさつせず集団脱走。途中採点ですでに大差が開いていたので、覚悟の行動だろう。きっと今頃言い訳を考えているに違いない。私の採点では116-108で内藤。この中には内藤の減点1、大毅の減点3が含まれる。

今夜の試合の第一殊勲賞はJBC(日本ボクシングコミッション)だろう。はっきりいって低レベルの試合に、世界的名レフェリー、ビック・ドラクリッチ氏の起用である。ジャッジもデイブ・モレッティ氏など本場ラスベガス並みの布陣で、ボクシング界の威信を賭けて臨んだ。12Rのレスリング行為の減点合計3点など、世界水準では当り前だが亀田ルールではこれまでOKだったのである。

試合としてみると、正直なところ感心しなかった。ほとんど唯一の懸念は内藤が平常心で戦えるかどうかだったのだが、リングインの時にはすでに感極まっていたので「これはまずい」と思った。3Rに右目を切って余計にあせってしまい、動きがぎこちない。4R、8Rと途中採点で優勢だったので持ち直したが、序盤にダウンでもしていたら危なかったところである。

大毅も正攻法(?)の亀父直伝スタイルできたので、オーソドックスにジャブを突いていても良かったのに、ボディを狙いに行ったのがどうだったのか判断が難しい。ボディを打つには接近しなければならず、ここで左フックをもらって目を切ってしまった。逆にそうさせなかった大毅を誉めるべきかもしれない。

4Rの途中採点を聞いてからは内藤ペース。クリンチをうまく使ってロープにつまる場面をほとんど作らなかった。もともと、ロープにまっすぐ下がってフックを打たせてくれる一流選手などいないのだから、大毅がいくら首をひねっても無駄である。最後は苦し紛れのレスリング行為(それまでも再三見せていた)で最初に減点1、二度目に減点2を食らってジ・エンドとなった。

試合後に内藤が言っていたが、「どうしても勝たなくてはならないというプレッシャーが相当あった。ポンサク戦以上だった」ということで、まずは亀弟のメッキが剥げたことを安心したい。こういうプレッシャーがなければ、おそらく内藤は頭をつけて打ち合いに応じKOしたのではないかと思う。そして、脱走してしまったため亀兄の挑戦表明がみられなかったことも残念であった。

最後に、次男は7割方これで引退するのではないかと思う。

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最終予想・WBC世界フライ級タイトルマッチ 内藤vs大毅

WBC世界フライ級タイトルマッチ(10/11、有明コロシアム)
○チャンピオン 内藤大助(宮田、31勝22KO2敗2引分け)
   挑戦者 亀田大毅(協栄、10戦全勝7KO)

勝手な理由をつけて亀田陣営が試合そのものをキャンセルする可能性は決して小さくないとみていたが、無事(?)公式計量も行われ調印式も済んだ。記者会見で「負けたら切腹や!」とのたまい、「なんで?」と冷静に内藤に切り返されて、「(刃物は)お前が用意せい!」などと逆上したらしいので、減量苦で頭が回っていないようである。もっとも、「俺のびごえ(美声)を聞かせてやる」とも言っているので、そもそも国語能力に問題があるのは確かである。

さて、リングに上がってしまえば誰も助けてくれない。「俺が勝つに決まっている」と根拠のない虚勢を張ってはいるものの、おそらく1R始まってしまえば勝ち目のないことは本人にも分かるはず。最近になってようやくスポーツ新聞も本音が出てきて、「いずれにせよ王者有利は動かない」という論調になってきたが、そんなことは少しでもボクシングを見ている者にとって常識であった。

また、かねて指摘したように初めてフライ級に落とした減量の影響で、大毅の調整は十分でない様子。おそらく試合前に反動でドカ食いしてさらに調子を悪くする可能性もある(トレーナーがまともでないので)。だとすればどうするか。まず考えられるのは、最初から最後まで逃げ回って判定に持ち込もうとすることで、見栄も体裁もなくこれをやられたら内藤はかなり面食らうはず。ただ、内藤も「KOでも判定でも勝ちにいく」と言っているので、少しはそのあたりは予想しているだろう。

次に考えられるのは、まともに行ってもダメなので、とにかく頭から突っ込んでいくこと。内藤は試合間隔が短い上、目を切りやすいことはポンサク第二戦で証明済み。しかし、反則をとられるより前に内藤に動かれて「見えないパンチ」を食らう可能性が大きい。内藤の目と同様、大毅は鼻血を出しやすく、そうなると凄惨な試合になるだろう。

上の二つのケース以外、つまり大毅がガードを固めて前進するいつもの亀父直伝スタイルで臨めば、中盤8ラウンドくらいまでに内藤のKO勝ちとなる。少しは勝負にしたいと考えるなら上のどちらかの方法をとる他はないが、ここまでヒール(悪役)に徹してきたのだから、せめて後者の方法、つまりダーティーファイトで意地を見せてほしいものである。もっとも、その場合でも7、8割方は内藤KO勝ちで動かないかもしれないが、もしかすると負傷判定くらいには持ち込めるかもしれない。

結論としては判定でもKOでも内藤勝ちで動かない。内藤には、内容とか国民の期待とか考えないで普通に実力差をみせてほしい。おそらく試合後には亀兄が「次は俺とやれ」となるはずだが・・・。ちなみに、この試合10日夜現在海外ブックメーカーのオッズが出ていない。あまりまともな試合だとは思われていないということである。

p.s.試合速報は本日遅くにupできると思います。

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2007/10/10

パッキャオvsバレラ2回顧&ホリフィールド

WBCインターナショナル・スーパーフェザー級タイトルマッチ(10/6、ラスベガス)
マニー・パッキャオ ○ 判定(3-0) × マルコ・アントニオ・バレラ

パッキャオKO勝ちを予想したが、始まってみるとバレラがパッキャオの左を交わし続け、ペースは完全にバレラだった。11Rにレフェリーがブレイクをかけた後の打撃があってバレラ減点、それを含めて私の採点は116-111でパッキャオ。

パッキャオの左が当たらなかったのが、バレラのテクニックによるものか、パッキャオの衰えによるものか、あるいはその両方なのかは不明だが、少なくともパッキャオにバレラ第一戦やモラレス戦のような必殺の気合が感じられなかったことは確か。あるいは十分すぎるビッグマネーを稼いで、地元での祝賀会の方に関心が移ってしまったのかもしれない。

パッキャオの長所は思い切りの良さと、少々打たれてもひるまないハートの強さであるのだが、今回はその長所が目立たず、逆に短所であるパンチに種類がないことが際立っていた。局面を打開するには、打たれるのを承知で突っ込むか、さもなければ細かいパンチで相手のディフェンスを崩す必要があるが、今回のパッキャオはそれができなかった。

もしこれが年齢(28歳だが、もう50戦している)や上昇志向が失われたことによるものだとすると、今後、マルケス兄やエドウィン・バレロ、ホルヘ・リナレスといった面々とやっても勝てないのではないかという気がする。

WBO世界ヘビー級タイトルマッチ(10/12、ロシア・モスクワ)
   チャンピオン スルタン・イブラギモフ(ロシア、21勝18KO1引分け)   -500
○挑戦者 イベンダー・ホリフィールド(米、42勝27KO8敗2引分け) +300

近年のボクシング界の傾向として、高年齢になっても実力を維持し世界戦線に残っているというケースがかなり目立っている。30過ぎの世界チャンピオンなど昔はほとんどいなかったが、現在では42歳でなお実力を維持しているバーナード・ホプキンスを筆頭に、昔では考えられないくらい年齢の高い選手が多い。今回防衛戦を迎えるイブラギモフも、その前のブリッグスも、みんな30を超えている。

この背景としては、選手の健康管理面に多くの注意が払われるようになったことがあげられる。昔は年間4試合以上行う選手は珍しくなかったし6~8試合する選手もいた。しかし現在のトップクラスは年間2試合かせいぜい3試合が普通である。タイトルマッチも15R制から12R制になり、計量も当日から前日になって、過酷な条件で試合に臨むことは少なくなった。

さて、今回の挑戦者ホリフィールド。かつての実力は誰一人認めない者はいないが、御年なんと44歳である。初めてクルーザー級タイトルを取ってから21年、ヘビー級タイトルをとってから17年、あのマイク・タイソン戦(耳噛み事件)からすでに10年経っているのである。

ただ、ジェームス・トニーにKO負けを食らっていた当時からみると、2年近いブランクをおいて、ややリフレッシュされているような気もする。イブラギモフはブリッグスに勝ったが、ブリッグスは一発屋で安定した実力を発揮する選手ではなかった。いずれにせよクリンチの多い体力勝負になるだろうが、このオッズほどの実力差はない。ホリフィールド判定勝ちに少しだけ。

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