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2008/01/30

鍾乳洞事故にみるアニミズム(続き)

昨日は日咩坂鍾乳穴(ひめさか・かなちあな)の事故について、「地底湖の奥まで泳いで行き、そこの壁をさわってくる」という慣例があって、それが事故に結びついた可能性の大きいこと、そしてその行為そのものがまさにアニミズム(自然物崇拝)であることまで書いた。

アニミズムとは何かというと、現代の宗教、仏教とかキリスト教とか、そういうものが登場する以前、原始時代から人類に備わっていた3つの宗教的な概念(考え方)のうちの一つで、他の二つはトーテミズムシャーマニズムである。

このうち最も分かりやすいのがシャーマニズムで、「神がかり崇拝」と言えるかもしれない。神がかり状態になって神託や予言を行う巫女、予(預)言者、霊媒、呪術師、聖者などを信仰するというもので、古くは卑弥呼がそうだし、キリストや釈迦もシャーマンである。現代でいえば、細木数子や江原啓之が本当に目に見えないものが見えると思っている人がいるとすれば、シャーマニズムということになる。

次にトーテミズムとは、「祖霊崇拝」とでも言うべきもので、自らの守り神として、祖先や特定の動物、それらの合わさった精霊的なものを崇拝する。アメリカ・インディアンのトーテムポールがあまりにも有名だが、墓石だって卒塔婆だって盆飾りだって、りっぱなトーテミズムだ。人が亡くなったらお墓を建てるのは当然と思いがちだが、他の国や他の時代を調べると、そんなことはないということが分かる。

これら二つの原始的な宗教概念は今日でも形を変えて残っているが、アニミズムはあまり表面に出てこない。なぜかというと、かつて人類が恐れ敬った太陽や山、雷といった自然物が科学の発達により全く不思議なものではない、ということになったからである。しかし、それらがかつて崇拝され信仰の対象となったことは確かである。例えば浅間神社はもともと富士山信仰だし、出羽三山神社(月山・羽黒山・湯殿山)や箱根神社(箱根山)もそう、伊勢神宮の天照大御神も太陽信仰である。

昔の話だが、日本中どこの山に登っても、それがどんなに無名の山であっても、頂上には必ず誰かがいる、と言われていた。山登りをされた方にはお分かりいただけると思うが、山頂は必ずしも展望が開けているという訳ではない。それでも山登りする以上は山頂に行かなければならないというのは、アニミズム以外の何物でもない。

同様に、危なければそこまで行かなければいいものを、一番奥まで行かなければ探検したことにならないと思ってしまったのも、日本人の心の奥底に眠るアニミズムの衝動だったのではないだろうか。そうしてみると、現代にも原始時代からの宗教概念が残っている、つまり縄文時代から考え方の仕組みは変わらないという説はかなり説得力を持つということになる。

ちなみに、この鍾乳洞はそのまま日咩坂鍾乳穴神社(ひめさか・かなちあな・じんじゃ)のご神体であり、ここが古くから神の住処として崇拝されてきたことを示している。神の住処とされた理由の一つとして、ずっと昔からここに入り込んで出て来なかった人がたくさんいるんだろうと思う。

今回のニュースを読んで、そういうずっと昔のことを想像すると、なんだか不思議な気がする。

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コメント

先生、とても解り易い説明ありがとうございました。

アニミズムはトーテミズムとシャーマニズムよりも
頑固なんだね、危なっかしい性格の集団ダ( ̄0 ̄)

投稿 びびり姫 | 2008/01/30 15:55

>> びびり姫さま

コメントありがとうございます。

ちなみに、カシノ愛好者にはシャーマニズムの人はいません。なぜなら未来に起こることが分かれば誰も損をしないということが身にしみて分かっているからです。(そんな未来でなくても、そこにあるカードシューの中の、次の6枚のカードが分かればバカラは全勝)

トーテミズムの人はちょっといるかもしれません。お守りとかジンクス(左手で絞るとか)を気にする人は、そうすることによって自分が守られるとどこかで信じているということになります。

そして、アニミズム信者はかなり多くいると思っています。カシノのどこが自然物崇拝でしょうか?そう、ツラが起これば最後までついていくというのは、まぎれもなくアニミズムですね。その意味で、おっしゃるようにアニミズムは最も頑固といえるかもしれません。

ではでは。

投稿 TAIPA | 2008/01/31 09:34

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