マカオ・コロアネ島(完結編)
フランシスコ・ザビエル教会からさらに南へ進む。コロアネ小学校を過ぎて、通りの行き止まり、コロアネ・ビレッジの南端にあるのが譚公廟(たんこうびょう)である。ここには、ウィークデイの昼前だというのに、かなりの人が参詣に訪れていた。
道教の神々の中で、特に沿海部の人々の信仰を集めているのは天后(てんこう・ティンハウ)である。天后は道教の海の女神的存在であり、もともとは海難除けのまじないをしていたとされる媽祖と習合されて今日に至っている。香港の天后廟、マカオの媽閣廟(マコウミュウ・マカオ地名の元と考えられている)いずれもこの神を祀っている寺院である。
そしてもう一つ、道教の海の神様として信仰を集めているのが譚公(たんこう・タムクン)である。旧暦の4月8日には香港でもマカオでも譚公祭が開かれる。この譚公を祀った寺院の中でマカオ最大なのが、コロアネ島の譚公廟なのである。
媽閣廟(マコウミュウ)と同じく、渦巻き型や極太の線香が焚かれて周辺には煙と香が漂い、なぜか大きな石に年号やら何やらが書かれていることも共通である。何人もの人が、熱心にお祈りをささげている。後ろ側は小高い丘になっていて、その先は海になっているはずだ。国境警備の建物が建っていたが、ここには誰もいなかった。
譚公廟から裏通りを通ってもとの方向に戻る途中に、二つの小さな寺院がある。一つは天后古廟、もう一つが観音堂である。天后古廟は最近再建工事が行われたらしく、奉加帳のような石碑に、環宇旅遊(私のよく行くホテルの代理店)が大口の寄付をしたことが記されていた。観音堂は仏教寺院のはずなのだが、当然のように関帝(道教で親交されている三国時代の武将、関羽)の絵がかざられていた。
雑貨店や食料品店、八百屋などが並ぶマーケット街を通っていくと、最初に来た総統前広場に戻る。そのまま北に進んで5分くらい行くと、コロアネ・ビレッジ北端のコロアネ漁港である。
ここは、昔コロアネ島がタイパ島とつながっていなかった頃、マカオ半島までフェリーが往復していた港なのだそうである。現在は漁港として使われているらしく、周りには魚の干物を売っている店が2軒あった。
同じ干物とはいっても、熱海や伊東の匂いとは少し違う。日本だと干物にするのはあじやトビウオ、いわし、さんまといったひかりものが多いが、ここの干物はイカと、新巻鮭くらいの大きさの魚の干物(南なのでスズキかもしれない)が主体である。
いまやマカオといっても、カシノの中にいる限りラスベガスと区別が付かないようになりつつある。こうしたのどかな雰囲気が、少しでも長く残っていてほしいと思う。
p.s.本編HPに他の紀行文もたくさんあります。こちらから、My Favorite Placeへ。
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