2008/05/01

デラホーヤ復帰戦展望

150ポンド契約(スーパーウェルター級)12回戦(5/3、米カリフォルニア州カーソン)
前6階級王者 オスカー・デラホーヤ(米、38勝30KO5敗) -1700(1.05倍)
元Sフェザー級C スティーブ・フォーブス(米、33勝9KO5敗) +900(10倍)

昨年5月にスプリット・デシジョンでフロイド・メイウェザーに敗れて以来のデラホーヤ復帰戦。9月にメイウェザーとの再戦を控え、相手は体格のないフォーブス。デラホーヤにとって、2001年のアルツロ・ガッティーとの一戦とよく似ており、もちろん圧勝以外許されない。

デラホーヤもすでに35歳。プロモーターとしても「ゴールデン・ボーイ・プロモーション」を軌道に乗せ、ボクサーとしてもスーパーフェザーからミドルまでの6階級を制覇した。2006年のマヨルガ戦は少々リスキーだったが、メイウェザーも今回のフォーブスも体格がなく、デラホーヤにとって比較的戦いやすい相手である。

もちろん年齢的な衰えは気になるが、2000年以降年間2試合以上戦ったことはなく、頭(顔)を打たれた試合もあまりなかったので、身体的なダメージは少ない。同じゴールデン・ボーイ・プロモーションのホプキンスが43歳、モズリーも36歳になってがんばっているのだから、総帥がだらしない試合は見せられないだろう。

一方のフォーブス、2000年にIBFスーパーフェザー級のチャンピオンとなっているが、2年後にウェイトオーバーで剥奪、その後2度の世界挑戦に失敗している。以来、クラスとしてはスーパーライトからウェルター級で試合をしており、昨年・一昨年は6戦4勝2敗という成績である。

ただし、昨年10月の試合では、2000年シドニーオリンピック出場のホープ、フランシスコ・ボハドに判定勝ちしており、それが今回の抜擢につながったのかもしれない。

勝敗については、オッズ的には「賭けの対象にならない倍率」である。しかし、ブックメーカーのラウンド・プロップをみると10ラウンド以降が-300(1.3倍)、9ラウンド以下が+260(3.6倍)とむしろ判定にもつれ込むとみる向きが多いようである。

というのは、フォーブスは12年38戦のキャリアでKO負けがないからで、このところ瞬発力に衰えをみせているデラホーヤでは倒しきれないという予想も成り立つ。しかし、あの頑丈なマヨルガをあっさり倒した2戦前を思い出すと、このオッズなら中盤KOを期待してみたい。

この試合は、日本時間日曜日のWOWOWでライブ(実況生)中継される。

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2008/04/17

ライトヘビー級特別試合展望

ライトヘビー級12回戦(4/19、米ラスベガス)
統一スーパーミドル級C ジョー・カルザゲ(44戦全勝32KO) -260(1.3倍)
元統一ミドル級C バーナード・ホプキンス(48勝32KO4敗1引分け) +220(3.2倍)

先週は4試合予想して4試合的中。すべてFavoriteだったので1試合ずつのオッズはたいしたことはないが、4試合のパーレイだと3倍近い配当になる。一方で阪神の桜花賞は人気馬がだらしなかった。スケートのショートトラックでもあるまいし、走るたびに順序が変わるというのはいただけない。だから競馬は安心して買えないのである。

さて今週末は、1997年以来11年間WBOのスーパーミドル級王座を守ってきたカルザゲと、95年から2005年まで足掛け11年間IBFミドル級のチャンピオンだったホプキンスのスーパーマッチ。オッズは今のところガルザゲだが、小差である。

やはり主役はホプキンスだろう。2005年にジャーメイン・テイラーに小差判定でミドル級王座を手放した後も、2006年にアントニオ・ターバー(先週、IBF王座獲得)、2007年にロナルド・ライトをそれぞれ退け、43歳だというのに衰えをみせない。

43歳のプロボクサーが果たして往年の力を発揮できるのか?過去のデータからいうと厳しい。しかし、先週の試合で39歳のターバーがタイトルを奪取し、グレン・ジョンソンもチャド・ドーソンとかなりの好試合をしたらしい。

昔のように短期間に多くの試合数をこなすこともなく、計量は前日で、ラウンド数も12ということで、もしかすると選手の競技寿命は飛躍的に伸びているのかもしれない。それにターバー戦も、ライト戦も、ホプキンスはunderdogだった。

一方のカルザゲ、前回のミッケル・ケスラー戦は統一戦ということもあって両選手とも動きが固かった。カルザゲもすでに36歳、昔はハードパンチャーだったが、拳を痛めてから以前のような切れ味はなく、そして初めてのラスベガスである。

問題は距離だろう。カルザゲはサウスポーだが、ホプキンスは相手が右構えだろうと左構えであろうと関係ない。カルザゲが中に入って細かい連打を決めるようならペースを握るが、お互いのパンチが届かない距離でにらみ合う形になると膠着しそうだ。

そうなると、決定力はむしろホプキンスにある。そして、打ち合いで体力を消耗させないと年齢は関係ない。ホプキンスに極端な衰えがない限り、オッズとは違ってホプキンスのペースになる可能性の方が大きいのではないか。いずれにせよ小差判定だが、ホプキンスへ

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2008/04/09

ボクシング・ウェルター級ウォーズ展望

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ(4/12、米国アトランティックシティ)
チャンピオン ミゲール・コット(プエルトリコ、31戦全勝25KO) -800(1.1倍)
挑戦者 アルフォンソ・ゴメス(メキシコ、18勝8KO3敗) +500(6.0倍)

ウェルター級は現在、強い選手が目白押しの充実したクラスであるが、その中であえて二人選ぶとすると、人気のメイウェザー、実力のコットということになるだろう。その実力王者コットのこの階級4度目となる防衛戦である。

これまでの防衛戦の相手であるオクタイ・ウルカル、ザブ・ジュダー、シェーン・モズリーからすると、平凡な相手といえなくもない。だがゴメスは、昨年7月にアルツロ・ガッティをKOして引退に追い込んでおり、ガッティの代役という意味合いもあるかもしれない。

ディフェンスが巧みでかつハードパンチャーであるコット、前回のモズリー戦ではスピードに苦しめられてきわどく判定勝ちしたが、今回は実力的にみてKOしなくてはならない相手である。

ちなみに、この試合の後、コットは7月にリカルド・マヨルガ戦が予定されている。昨年スーパーミドル級で試合したマヨルガが3階級下のウェルターまで落とすとも考えづらいところだが、どちらかというとこちらの試合の方が楽しみである。

IBF世界ウェルター級タイトルマッチ(日・場所同じ)
チャンピオン カーミット・シントロン(プエルトリコ、29勝27KO1敗) +240(3.4倍)
挑戦者 アントニオ・マルガリト(メキシコ、35勝25KO5敗) -300(1.3倍)

KO率90%と衝撃の強打者シントロンが、3年前に唯一敗れている相手である前WBO王者マルガリトとの防衛戦に臨む。

昨年11月、ホセ・フェリシアーノ相手の防衛戦で明らかになったように、ストレートパンチャーのシントロンにとって、接近戦で細かく手を出す相手は大の苦手である。

その意味で、他の3団体のチャンピオンよりも、マルガリトの方がシントロンにはやりにくいだろう。逆に考えれば、みんなマルガリトを嫌がるからシントロンに回ってきてしまったということなのかもしれない。

マルガリトが接近する前にシントロンの一撃が決まってしまえば終わるが、マルガリトもそのあたりは十分承知している。シントロンの勢いが上回る序盤3Rくらいまでは様子をみて、中盤からエンジン全開となるだろう。

シントロンが勝つとすれば2RまでのKO、それより長引けばマルガリトのKO勝ちと予想する。いずれにせよKO決着が濃厚。

この2つの試合は、14日のWOWOWでタイムリー・オン・エア中継される。

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2008/04/08

ボクシング・ライトヘビー級ウォーズ展望

先週土曜日の榎vs粟生戦は、3ジャッジいずれも引分けで終わった。WEB上では「いいカードだというから楽しみにしていたのに、動きが少なくつまらない試合だった」という意見もみられたが、わたし的には見ごたえのある試合だったと思う。

惜しむらくは、榎は粟生のコンビネーションをガードするのに、粟生は榎の左ジャブをよけるのにそれぞれ忙しくて攻撃面での踏み込みが今一歩だったことで、その意味では世界ランクが下で年も若い粟生が、もう少しリスクを取りにいくべきだったように思う。

私の採点では115-113で榎。減点はされなかったものの、榎の2度のローブローの印象が不利に働いたかもしれない。ただ、粟生も榎の頭を押さえる行為が目立ったので、仕方のない面もある。

それよりも、この試合はWBAのエリミネーター(挑戦者決定戦)であるのでラウンド・マスト方式(各ラウンド優劣をつける)が採用されたことをTV解説ではちゃんと触れるべきで、普通のOPBF・日本タイトルマッチだったらおそらく違う判定結果になったように思う。

さて、今週末アメリカでは、2つの階級でダブル・タイトルマッチが開催される。今日は重い階級の方、ライトヘビー級の展望。なお、こちらの試合はSHOWTIMEのペイ・パー・ビューなのでリングアナウンサーはジミー・レノンJr.、明日お送りするウェルター級はHBOなのでマイケル・バッファーとなる。

WBC世界ライトヘビー級タイトルマッチ(4/12、米フロリダ州タンパ)
チャンピオン チャド・ドーソン(アメリカ、25戦全勝17KO) -360(1.3倍)
挑戦者 グレン・ジョンソン(アメリカ、47勝32KO11敗2引分け) +280(3.8倍)

最近のビッグマッチの世界戦離れは、このライトヘビー級から始まった。かつてWBA、WBC、IBF3団体を統一していたチャンピオン、ロイ・ジョーンズJr.がターパーとジョンソンに相次いで敗れ、その両者が世界一決定戦を世界戦統括団体のタイトルマッチとしなかったことから、世界一と世界チャンピオンが別になってしまったのである。

そしてそのターパーとジョンソンが、この日の世界タイトル戦興行に挑戦者として登場する。ともに30代後半。力の衰えは隠すべくもないが、果たして世界チャンピオン達とどのような戦いをするのか、ある意味楽しみな2試合である。

ジョンソンの方は今年39歳。世界に挑戦しては負ける選手だったが、2004年ロイ・ジョーンズにKO勝ちして35歳で初めて世界チャンピオンになった。その後も世界戦線で活躍し続けており、持ち前のタフネスは健在である。

かたやドーソンは25歳。米国のニュースターであるが、最初に述べたようにこのクラスの強豪はこのところあまり世界戦に出ていないことから、それほど骨のある選手とはやっていない。身長195cmのサウスポーだから、サイズ的にはターバーとほぼ同じ。しつこいジョンソンに苦しめられるのか、それとも圧倒するのか、この試合でドーソンの評価が固まることになる。

予想としては、ドーソン判定勝ち

IBF世界ライトヘビー級タイトルマッチ(日・場所同じ)
チャンピオン クリントン・ウッズ(英国、41勝24KO3敗1引分け) -110(1.9倍)
挑戦者 アントニオ・ターバー(アメリカ、26勝19KO4敗) -140(1.7倍)

クリントン・ウッズといえば2002年に、ときの3団体王者ロイ・ジョーンズの指名挑戦者でありながら、「猫だましパンチ」で一撃KOされた試合のイメージが強すぎるが、IBFの王座をすでに4度防衛している。

問題はターバーの出来である。「ロッキー・ファイナル」への出演以来スピードもパワーも持久力も落ちてしまい、バーナード・ホプキンスに完敗、前回の試合もKO勝ちはしたものの内容は良くなかった。もともと天才肌で横着なボクシングをするところはロイ・ジョーンズとよく似ている。

ターバーの出来が60%以上戻っているようなら、この試合はターバーである。しかし、それ以下の出来であるようだと、ウッズが大したクリーンヒットをしていなくても、ターバーが勝手に負けてくれることにもなりかねない。

ターバーKO勝ちを期待したいが、この期待は裏切られる可能性がかなりある。ドーソンとターバーが勝ち残って統一戦になるようなら、かなりのビッグマッチが期待できるのだが。

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2008/03/13

WBC世界スーパーフェザー級戦展望

WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ(3/15、米ラスベガス)
チャンピオン ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ、48勝35KO3敗1引分け) +150
挑戦者 マニー・パッキャオ(フィリピン、45勝35KO3敗2引分け) -180

先週の予想では内藤引分け防衛・ピーターKO勝ちをパーフェクト的中させた当コラム、今週のビッグマッチは2004年5月以来約4年ぶりの再戦となるマルケス兄とパックマンのラスベガス・マンダレイベイ決戦である。

前回の対戦ではパッキャオが1Rに3度のダウンを奪ったものの、試合全般としてはマルケスに分のある引分け。その時と比べると、マルケスは技術的により洗練され、パッキャオは全ラウンド動き続けるスタミナ面が向上したとみている。

オッズが示すように、この試合の注目はパッキャオである。アジア系ボクサーとしては初めてといっていいビッグマネー・ファイターとなったパッキャオであるが、知名度を上げた要素としてはエリック・モラレスとの3戦、マルコ・アントニオ・バレラとの2戦が非常に大きい。あとの対戦相手として一流といえるのはオスカー・ラリオスくらいで、実はそれほど多くの強豪と対戦している訳ではない。

前にも書いたようにパッキャオはフライ級スタートで、5階級上になるスーパーフェザー級は体格的に厳しい。モラレス、バレラ、ラリオスといった面々はもともとスーパーバンタム級の選手であるから、大きなハンディキャップはなかった。しかし、ナチュラルなこのクラスの選手、例えばWBAチャンピオンのエドウィン・バレロと戦ったら、パンチ力、耐久力の点でパッキャオはかなり不利になるだろう。

その意味で、フェザー級からクラスを上げたマルケス兄は、パッキャオにとってぎりぎりの相手と考えられる。そのマルケス兄も、スーパーフェザー級での2試合、タイトルを獲ったバレラ戦、初防衛のフアレス戦がいずれも判定で、攻撃力が相対的に低下している懸念はあるが、相手も強かったので仕方なかったという見方もできる。

テクニック的には、前の試合がそうであったようにマルケス兄が上。あとはパッキャオの一発が決まるかどうかだが、最近のパッキャオは昔のような思い切りに欠けているような気がする。ウェイトを上げると耐久力も増すので、前の試合のようにマルケスをダウンさせるのはちょっと難しいのではないかと思っている。マルケス判定勝ちにブラックチップ。

ちなみに、パッキャオはこの試合の後、6月にマカオで試合を予定しているらしい。

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2008/03/07

内藤・ポンサク、WBCヘビー級戦展望

WBC世界フライ級タイトルマッチ(3/8、両国国技館)
△チャンピオン 内藤大助(日本、32勝20KO2敗2引分け)
   挑戦者 ポンサクレック・ウォンジョンガム(タイ、67勝35KO3敗)

2001年3月にマルコム・ツニャカオからタイトルを獲ったポンサクも、それから7年が経過した。過去のタイの名王者であるカオサイ・ギャラクシーが7年1ヵ月(WBAスーパーフライ)、ウィラポンが7年3ヵ月(WBCバンタム)の連続防衛だったことからすると、仮にここで再び王者となったとしてもそれほど長くはないと思われる。

ポンサクの体調が万全であれば、内藤のトリッキーな動きに対応してカウンターを入れることができる。また、亀田大毅戦で危惧された内藤の目が切れやすい点についても、パンチであればTKOとなるという本来の意味で問題となるだろう。

逆にポンサクの調子落ちが一過性のものでなく年齢的なものであった場合、内藤は大毅戦と違って「負けたら仕方がない」と思い切って来るはずだから、内藤KO勝ちもありうる。もちろん前回と同様判定勝ちは十分。

実力的には、10対8くらいでポンサクレックに分があるとみるが、日本開催という地の利、ポンサク下り坂、内藤ピークという要因を考え合わせると、内藤KO勝ちからポンサクKO勝ちまでどんな結果となっても想定内。間をとって、引分けと予想してみる。

WBC世界ヘビー級王座統一戦(3/8、メキシコ・カンクン)
   チャンピオン オレグ・マスカエフ(ロシア、34勝26KO5敗) +300
○暫定チャンピオン サミュエル・ピーター(ナイジェリア、29勝22KO1敗) -450

身長はマスカエフが約8cm高く、体重はピーターが約5kg重い。マスカエフは2002年にコーリー・サンダースに負けて以来12連勝、ピーターは2005年ウラディミールに唯一の負けを喫して以来6連勝。WBCの王座統一戦である。

マスカエフの残る4敗が、オリバー・マッコール、デビット・トゥア、カーク・ジョンソン、ランス・ウィテカー。サンダース戦を含め、すべてKO負けである。かたやピーターはウラディミール戦では3度ダウンを奪った末の判定負けであった。

となると、マスカエフのKO負けという結論にどうしても達してしまうが、先々週のウラディミールvsイブラギモフがあまり活気のない試合だったので、ヘビー級らしい迫力ある打ち合いを期待したい。

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2008/02/21

IBF・WBO世界ヘビー級統一戦展望

IBF・WBO世界ヘビー級タイトルマッチ(2/23、米NYマジソンスクエア・ガーデン)
IBF王者 ウラディミール・クリチコ(ウクライナ・49勝44KO3敗) -500
WBO王者 スルタン・イブラギモフ(ロシア・22勝17KO1分け) +350

米国ボクシングの殿堂であるMSGで、ボクシングの世界一を決める統一ヘビー級タイトルマッチが行われるのに、戦うのはともに旧ソ連圏というのは時代の流れで仕方ないか。まあクリチコ兄弟は米国でも何度も試合をしてきているので、準ホームグラウンドといえなくもない。

2000年10月にWBOチャンピオンとなって以来、世界のトップ戦線に君臨し続けるウラディミールだが、2003年にコーリー・サンダース、2004年にレイモン・ブリュースターにそれぞれ言い訳のできないKO負けを喫しそのつど評価を落としてきた。それ以降は安定した戦い振りであり、前回の防衛戦ではそのブリュースターを6回KOに下して敵を討ったところである。

かたやイブラギモフ。昨年6月にシャノン・ブリッグスを破ってWBO王者となり、10月には老雄ホリフィールドに勝って初防衛。しかし、2試合ともダウンを奪うことはできず、判定勝ち。本当なら楽勝しなければならない試合をてこずったという印象である。唯一の引分けは2006年7月のレイ・オースティン戦だが、オースティンは次の試合でウラディミールに2回KO負けしている。

ともにオリンピックのメダリスト(ウラディミールはアトランタ金、イブラギモフはシドニー銀)であるが、イブラギモフがいまだにアマチュア的なきれいなボクシングをするのに対し、ウラディミールは何度かの挫折を機にプロ向きのハードパンチャーに変身してきた。体格的にも差があり(身長で202cm対186cm)、ウラディミールの優位は動かない。

イブラギモフはヘビー級には珍しいサウスポーで、まともにパンチを食わないのが強みだが、同じサウスポーのクリス・バードを2度とも問題にしなかったウラディミールだけにそれも通用しそうにない。あとはサンダース戦やブリュースター第一戦のように勝手にあわてて自滅することさえなければ、ウラディミールのKO勝ちは固いはず。

なお、この試合は来週火曜日のWOWOWでタイムリー・オン・エア中継される。

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2008/02/07

WBO世界ウェルター級タイトルマッチ展望

先週、フィリピン・セブのウォーターフロント・ホテルでかなり注目される軽量級のビッグマッチがあった。IBFスーパーフライ級の挑戦者決定戦で、地元フィリピンのホープ、Z・ゴーレスと、前IBFフライ級王者のビック・ダルチニアンの試合である。

一種、ナジーム・ハメド的なところがあるハードパンチャーのダルチニアンなので、クラスを上げてどうなのか興味深かったが、観客席から何か投げ込まれたりしてひどく荒れた試合の結果、判定は3者3様の引分けだったということである。

現在、フライ級、バンタム級には、ダルチニアンの後継王者であるドネアーを除いてそれほど強いチャンピオンはいないが、スーパーフライ級は多士済々で非常に層が厚い。日本でおなじみのクリスチャン・ミハレス(WBCスーパーフライ)も今度ラスベガスで試合をするようだし、世界的にもますます注目を集めそうだ。

WBO世界ウェルター級タイトルマッチ(2/9、米カリフォルニア)
○チャンピオン ポール・ウィリアムス(米、33戦全勝24KO) -675(1.12倍)
   挑戦者 カルロス・キンタナ(プエルトリコ、24勝19KO1敗) +425(5.25倍)

さて、現在最も面白いクラスといえば、ウェルター級である。WBAミゲール・コット、WBCフロイド・メイウェザー、WBOウィリアムスの3チャンピオンが無敗であり、IBFのシントロンも1敗。チャンピオン以外にもアントニオ・マルガリト、シェーン・モズリー、オスカー・デラホーヤ、リッキー・ハットン、ザブ・ジュダーらがいて、誰が誰と戦ってもビッグマッチになりそうだ。

すでに、4月にシントロンvsマルガリトが決まっていて、この勝者がコットと戦う予定。メイウェザーは名前があってリスクの小さいデラホーヤとの再戦コース。そしてウィリアムスは今回の防衛戦からスタートする。客観的にみて、マルガリトを破ったウィリアムスがこのクラスでは一番強いはずである。

とにかく身長が183cm、リーチが2mを超える体格は、ミドル級からライトヘビー級に上げたバーナード・ホプキンスに匹敵する。マルガリトには後半追い上げられたが前半戦は全く寄せ付けない動きを示しており、打ち合いにもそこそこの適応力を示した。あとは実力差のある相手にきっちりとした結果を残せるかどうか。

今回の防衛戦の相手キンタナは(ちょっとアブナい名前だが)、2006年ミゲール・コットに挑戦、5回終了でギブアップしている。長身のサウスポーであるという点ではチャンピオンと同様であるが、コット戦で耐久力のなさを示してしまった上、サイズではチャンピオンに劣る。ウィリアムスはこの試合で存在感を示し、次の時代のスーパースターへの道を進んでほしいものである。

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2007/12/06

ハットンvsメイウェザー戦展望

WBC世界ウェルター級タイトルマッチ(12/8、米ラスベガス)
○チャンピオン フロイド・メイウェザー(米、38戦全勝24KO) -245
   挑戦者 リッキー・ハットン(英、43戦全勝31KO) +195

いつまでたっても若手代表のようなメイウェザーだが、もう30歳になる。今年5月にはデラホーヤとのスーパーファイトに勝って5階級制覇チャンピオンとなったが、”パウンド・フォー・パウンド”という意味では逆に評価は落ちているようだ。適正ウェイト以上のクラスでの戦いが続き、「各階級を通じて最強」どころか、「クラス最強」であるかどうかも疑わしいというのがその要因だろう。

2001年のコラレス戦(スーパーフェザー級=130ポンド)、2003年のヌドゥ戦(ライト級=135ポンド)、2005年のガッティ戦(スーパーライト級=140ポンド)が強かったのは何といってもKOで決着したからで、ただ相手のパンチを当てさせないというだけでは”パウンド・フォー・パウンド”とはいえない。

ところが、ウェルター級(147ポンド)に上げてからのジュダー戦、バルドミル戦(ともに判定勝ち)では倒せそうな気配がなく、スーパーウェルター級(154ポンド)のデラホーヤ戦に至っては前半を明確に失っていた(2-1判定勝ち)。今回は再びウェルター級に戻しての防衛戦だが、この階級の他団体王者であるコット(WBA)、シントロン(IBF)、ウィリアムス(WBO)そしてマルガリト(前WBO)らと比べて、メイウェザーが明らかに強いとはいえず、逆にメイウェザーの方が対戦を避けてきた節がある。

今回のハットン戦も全勝の英米対決で盛り上っているが、ハットンは一度ウェルター級チャンピオンとなっているものの、その後適正階級であるスーパーライトに戻している。今回比較的オッズが接近しているのは、ハットンが前の試合でメイウェザーも苦しんだホセ・ルイス・カスティージョをKOしているからで、確かにハットンの馬力は驚異的だが、これが通用するのはスーパーライトまで、ということもまた言えそうである。

つまりメイウェザー陣営は、「注目される試合ではあるけれども危険性の少ない相手」とうまくマッチメークしている訳で、この試合もオッズ以上の実力差があることは間違いない。メイウェザー判定勝ちにブラックチップ。なお、この試合、ラウンドプロップでは11.5のo/u、つまりKOか判定かというオッズも出ていて(どちらの勝ちでも構わない)、KOのオッズは+200、つまりJRA式で3倍である。(ハットン勝ちのオッズより高い!)

p.s.同じウェルター級の日本タイトルマッチも今夜行われます。三階級制覇の湯場忠志と"亀田一家入り"で有名になった牛若丸あきべぇ(騒ぎの前に亀田一家から協栄に戻った)。かつての実力なら間違いなく湯場だが、若いあきべぇの一気の台頭があっておかしくない組合せ。深夜3時頃にTBS中継あり。

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2007/11/22

バルガスvsマヨルガ戦展望

166ポンド契約(ミドル級+6ポンド)12回戦(11/23、米ロサンゼルス)
○フェルナンド・バルガス(米、26勝22KO4敗) -185
   リカルド・マヨルガ(ニカラグア、28勝23KO6敗1引分け) +155

空位のWBCアメリカ大陸のスーパーミドル級タイトルが懸けられているが、もちろんこの二人はスーパーミドルの選手ではないし、主戦場はミドル級より下のスーパーウェルター級である。だから、これから世界タイトルに向けての戦いというよりも、人気抜群の両者による一発勝負という意味合いが強い。

バルガスはモズリーにTKO負けして以来1年4ヶ月振り、マヨルガはデラホーヤにTKO負けして以来1年半振りの試合。したがって両者がどのような体で試合に臨むのかが不明だし、オッズは出ているが真剣に勝敗を予想する試合ではないような気がする。さらに、バルガスはこれがラストファイトであると公言しており、本気かプレス用かは分からないが、記者会見で乱闘するなどプロレス並みの盛り上がりである。

ご存知のとおり、マヨルガはウェルター級、スーパーウェルター級の2階級制覇、バルガスはスーパーウェルター級を2度にわたって制覇している。そしてこの2人に共通しているのは、フェリックス・トリニダード、オスカー・デラホーヤの両スーパースターにKO負けしていること、にもかかわらず全く人気が落ちないということである。

なぜ人気が落ちないのかというと、この両者はトリニダードやデラホーヤのスマートさとは全く対極にある、血の気の多さ、荒々しさ、力強さ、泥臭さといったある種ボクシングの一つの魅力といっていい部分を色濃く持っているからである。だから、この戦いが最終ラウンドまで続く確率は極めて低い。1ラウンド開始早々からフル回転の打ち合いとなることが必至だからである。

すでに最初の記者会見では乱闘を起こし、今週のプレスリリースでは両者の間にアイスホッケー用の強化ガラス障壁が置かれた。マヨルガが「あんなブタ野郎は2ラウンドもあれば十分だ」と吠えれば、バルガスは「奴は怖がっている。6ラウンド以内に倒して引退する」と返している。確かに前半戦で決着が付くことだけは間違いないだろう。

両者とも完調という前提で予想すると、ディフェンスもできるバルガスに対し(なんせ、ロナルド・ライトに勝っているのだ)、アゴの強さに頼るマヨルガという守備面での差がある。もちろんマヨルガのセオリーから外れた振り回しに、試合勘の戻らないバルガスが巻き込まれてしまう可能性はあるが、基本的にバルガスは打ち合いでは負けない。デラホーヤとはほぼ五分だったし、トリニダードからはダウンを奪っているくらいである。

ということでバルガス乗りとするが、このあたりのクラスを10年近く引っ張ってきた両者の気合の入った打ち合いを期待したい。そして、セミファイナルは私が現在とても評価しているIBF世界ウェルター級チャンピオン、カーミット・シントロン(28勝26KO1敗)の防衛戦である。会場はロスのステイプルズ・センター。WOWOWでも中継がないこの一戦、現地に行って見てきます。

p.s.ということで、次の更新は来週の木曜日になります。もちろん、ラスベガスにも寄ってきますので、レポートをお楽しみに!

p.s.バルガス・マヨルガの速報レポートはこちらから。

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2007/11/07

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ展望

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ(11/10、米ニューヨーク)
○チャンピオン ミゲール・コット(プエルトリコ、30戦全勝25KO) -150
   挑戦者 シェーン・モズリー(米、44勝37KO4敗1NC) +130

欧米人の平均的な体格であるウェルター級(147lbs=66.8kg)は、昔から選手層の厚いクラスである。日本ランキングのあるミニマム級からミドル級までの各階級の中で、ただ一つ日本人世界チャンピオンが出ていないのがこのウェルター級であるというのも、決して偶然ではない。

さて、デラホーヤとトリニダードが君臨した20世紀終わりから7年が経ち、久しぶりにウェルター級が注目のクラスとなっている。現時点の”パウンド・フォー・パウンド(全クラス最強)”といわれるフロイド・メイウェザー(無敗)がWBC王者、そのメイウェザーに12月、2階級制覇のリッキー・ハットン(無敗)が挑戦する。

IBFチャンピオンは強打のカーミット・シントロン。そのシントロンに唯一勝っているアントニオ・マルガリトが無冠で、そのマルガリトからWBO王座を奪ったのがやはり無敗のポール・ウィリアムス。そしてWBA王者がやはり無敗で二階級制覇のミゲール・コットである。一体誰がこのクラスで一番強いのか、考えるだけで楽しい(実は今度シントロンを見に行く予定)。

デビュー以来無敗でしかもそのほとんどをKOで片付けているコット。スーパーライト時代のリカルド・トーレス戦が唯一といっていい苦戦で、ウェルターに上げてからもオクタイ・ウルカル、ザブ・ジュダーと歴戦の強豪をKOで退けている。もともとディフェンスがいいことに加え、コンパクトなフォームから「固い(ハード)」としか形容できない強打をまとめることができる。

そして今回の相手は「ゴールデンボーイ・プロモーション」の重役、”シュガー”シェーン・モズリーである。IBFのライト級タイトルをとってから10年。その後ウェルターからスーパーウェルターまで幅広いクラスで戦いながら、オスカー・デラホーヤに連勝、フェルナンド・バルガスに連勝、ロナルド・ライトと接戦など、文句なしの実績を残してきた。

その意味では、コットにとってこれまで以上に厳しい戦いとなる可能性はある。モズリーはバルガス、ライトなど上のクラスのパンチに耐えてきているだけに、コットの強打も受け流してしまう可能性があり、その場合モズリーのスピードある連打をコットのディフェンスが耐えることができるかどうかは見ものであろう。

とはいえ、モズリー36歳に対しコット27歳の年齢差と、バーノン・フォレストに連敗しているように出鼻をくじかれるとモズリーが意外ともろい面があることから、前半戦を五分以上に渡り合うことができれば、コットが後半追い上げて明白な判定ないし終盤KOで防衛するとみる。試合としてはモズリーが先行した方が面白いが。

この試合は月曜日のWOWOWでタイムリー・オンエア中継される。

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2007/10/31

WBA世界フライ級タイトルマッチ展望

WBA世界フライ級タイトルマッチ(11/4、さいたまスーパーアリーナ)
○チャンピオン 坂田健史(協栄、31勝15KO4敗1引分け)
   挑戦者2位 デンカオセーン・カオヴィチット(タイ、40勝16KO1敗)

例のWBC世界戦後、亀田兄弟と協栄ジムはかなりのバッシングを浴びてまともな環境ではなかったものと思われるが、そうした中で協栄ジムのまともなチャンピオン坂田の防衛戦である。TBSには亀田兄弟戦のゲストで何度も登場していたが、おそらく内藤が完膚なきまでに大毅をやっつけてくれて、内心かなり安心したものと思われる。

ロレンソ・パーラ、ロベルト・バスケスときつい試合が続いたが、ここでも世界2位を選ぶというのはなかなか気概がある。1位は同ジムの亀田兄だから、実質的に最もランキングの高い相手を選んだということである。亀田兄や内藤と比較しても地味なボクシングの坂田だが、パーラ、バスケスを破り海外での評価は高い。意気消沈している金平会長のためにも、いい試合を見せたいところ。

挑戦者の戦績はすごいが、実はWBAのアジアタイトルPABAを数多く防衛しているもので、世界の一線級との試合は2002年のWBA世界戦、ときのチャンピオンであるエリック・モレルに11回TKOで負けた一戦のみである。

PABAタイトルというと思い出すのは、先日のWBCで大差負けした亀田大毅が世界ランク入りした時の相手ビッキー・タフミル。あまりレベルの高いタイトルとはいえない。年齢的にも峠を過ぎた31歳。世界戦5度、他にも現WBC王者内藤を含む多くの世界ランカーと対戦している坂田の方が戦績的にはかなり上といっていい。

デンカオセーンの戦績をみると、それほど名前の通っていない相手とも12Rまでやっており、長期戦のスタミナ比べになれば坂田の思う壺である。一発の破壊力はないがじわじわと連打で挑戦者の出鼻を叩いていけば、それほど危ない場面があるとは思えない。坂田判定勝ちが濃厚。

WBA・WBC・WBO世界スーパーミドル級タイトルマッチ(11/3、英カーディフ)
   WBA・WBC王者 ミッケル・ケスラー(デンマーク、39戦全勝29KO) +130
○WBO王者 ジョー・カルザゲ(英、43戦全勝35KO) -160

1998年以来10年間WBOチャンピオンを張っているカルザゲと、マルクス・バイエルをKOして2団体を統一したケスラーの世界的に注目される一戦。

最近の試合では、調子が良かったり悪かったりするのだが、昨年3月のジェフ・レイシー戦くらいの出来を維持していればカルザゲの馬力勝ちとみる。なにしろ、地元ウェールズの熱狂的応援の下で試合できるのが大きい。これに勝てば次はバーナード・ホプキンスという噂もある。

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2007/10/10

パッキャオvsバレラ2回顧&ホリフィールド

WBCインターナショナル・スーパーフェザー級タイトルマッチ(10/6、ラスベガス)
マニー・パッキャオ ○ 判定(3-0) × マルコ・アントニオ・バレラ

パッキャオKO勝ちを予想したが、始まってみるとバレラがパッキャオの左を交わし続け、ペースは完全にバレラだった。11Rにレフェリーがブレイクをかけた後の打撃があってバレラ減点、それを含めて私の採点は116-111でパッキャオ。

パッキャオの左が当たらなかったのが、バレラのテクニックによるものか、パッキャオの衰えによるものか、あるいはその両方なのかは不明だが、少なくともパッキャオにバレラ第一戦やモラレス戦のような必殺の気合が感じられなかったことは確か。あるいは十分すぎるビッグマネーを稼いで、地元での祝賀会の方に関心が移ってしまったのかもしれない。

パッキャオの長所は思い切りの良さと、少々打たれてもひるまないハートの強さであるのだが、今回はその長所が目立たず、逆に短所であるパンチに種類がないことが際立っていた。局面を打開するには、打たれるのを承知で突っ込むか、さもなければ細かいパンチで相手のディフェンスを崩す必要があるが、今回のパッキャオはそれができなかった。

もしこれが年齢(28歳だが、もう50戦している)や上昇志向が失われたことによるものだとすると、今後、マルケス兄やエドウィン・バレロ、ホルヘ・リナレスといった面々とやっても勝てないのではないかという気がする。

WBO世界ヘビー級タイトルマッチ(10/12、ロシア・モスクワ)
   チャンピオン スルタン・イブラギモフ(ロシア、21勝18KO1引分け)   -500
○挑戦者 イベンダー・ホリフィールド(米、42勝27KO8敗2引分け) +300

近年のボクシング界の傾向として、高年齢になっても実力を維持し世界戦線に残っているというケースがかなり目立っている。30過ぎの世界チャンピオンなど昔はほとんどいなかったが、現在では42歳でなお実力を維持しているバーナード・ホプキンスを筆頭に、昔では考えられないくらい年齢の高い選手が多い。今回防衛戦を迎えるイブラギモフも、その前のブリッグスも、みんな30を超えている。

この背景としては、選手の健康管理面に多くの注意が払われるようになったことがあげられる。昔は年間4試合以上行う選手は珍しくなかったし6~8試合する選手もいた。しかし現在のトップクラスは年間2試合かせいぜい3試合が普通である。タイトルマッチも15R制から12R制になり、計量も当日から前日になって、過酷な条件で試合に臨むことは少なくなった。

さて、今回の挑戦者ホリフィールド。かつての実力は誰一人認めない者はいないが、御年なんと44歳である。初めてクルーザー級タイトルを取ってから21年、ヘビー級タイトルをとってから17年、あのマイク・タイソン戦(耳噛み事件)からすでに10年経っているのである。

ただ、ジェームス・トニーにKO負けを食らっていた当時からみると、2年近いブランクをおいて、ややリフレッシュされているような気もする。イブラギモフはブリッグスに勝ったが、ブリッグスは一発屋で安定した実力を発揮する選手ではなかった。いずれにせよクリンチの多い体力勝負になるだろうが、このオッズほどの実力差はない。ホリフィールド判定勝ちに少しだけ。

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2007/10/03

パッキャオ・バレラ2展望

WBCインターナショナル・スーパーフェザー級タイトルマッチ(10/6、米ラスベガス)
チャンピオン マニー・パッキャオ(フィリピン、44勝35KO3敗2引分け) -285
挑戦者 マルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ、63勝42KO5敗1NC) +225

この間までWBCの同級世界王者だったバレラが、格下のインターナショナル王座に挑戦する試合。本場アメリカでは、もはや世界戦統括団体にはほとんど意味がなく、ファンが見たい試合がビッグマッチとなるという見本のような試合である。

しかしバレラも、もう33歳。デビュー以来19年が経過し、かつて「童顔の暗殺者(ベイビー・フェイス・アサシン)」と呼ばれた面影はすでになく、単に恐い顔のおっさんである。わたし的には、2000-2001年、モラレス第一戦やナジーム・ハメド戦がバレラのピークであり、それ以来実力的には長期低落傾向にあるとみている。

かたやパッキャオ、いま28歳とキャリア最盛期といっていい年齢になった。フライ級で世界チャンピオンになった選手はスーパーフェザーまでは無理と長いこと言い続けてきたが、ここ3年間はこのクラスで強敵ばかりを相手にしてほとんどの試合をKO決着で片付けており、体格的な問題を云々するのは難しくなってきた。

こうした背景からみると、およそ2.5対1という賭け率は、むしろバレラの過大評価ともいえる。この評価の要素として、今年3月のファン・マヌエル・マルケス戦でのほとんど互角の戦いがあったのだが、あれは8R終了間際のカウンターが決まったのがラッキーだったので、あれがなければほとんど一方的な試合だった。

もちろん、「バレラはまだこんなにできたんだ」とは思ったけれども、いまや当たるところ敵なしの勢いのあるパッキャオでは、前回(11RKO負け)と同じ結果になる可能性が大きい。パッキャオが飛び込んでくるスピードに合わせてカウンターを打つのは6年前のバレラでも難しかったのだから、今ならもっと難しいとみている。パッキャオのKOにブラックチップ。

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2007/07/19

ホプキンスvsライト&リナレスvsラリオス戦展望

170ポンド契約[スーパーミドル+2ポンド]12回戦(7/21、米ラスベガス)
前統一ミドル級王者 バーナード・ホプキンス(米、47勝32KO4敗) +110
元統一Sウェルター級王者 ロナルド・ライト(米、51勝25KO3敗) -140

すでに42歳になるというのに、ホプキンスはまだやる気である。「ロッキー・ザ・ファイナルぼけ」のアントニオ・ターバーからダウンを奪って判定勝ちしてから1年。今度は2000年以降無敗のウィンキー・ライトが相手である。双方-120でスタートしたオッズがここに来てライトに傾いているのは、やはりその年齢を不安視するからに他ならない。

まずホプキンスだが、これまでの戦績は申し分ない。そしてミドル級時代の後半には極端に少なくなっていた手数が、ウェイトを上げてかなり多くなっていたのは好材料である。体格的にも、ライトの176cmに対し183cmとかなりの身長差がある。これまでライトはサウスポーでかつ懐が深いことから多くの対戦相手が音を上げてきたが、今度はポプキンスの方が大きい。一発の強打ももちろんホプキンスである。

かたやライト。トリニダードに圧勝しジャーメイン・テイラーとも引き分けて、ミドル級で最右翼の実力者であることは間違いないのだが、今回の契約ウェイトはスーパーミドルよりさらに上である。いつものように右のジャブでコントロールしたいところであるが、これまで自分より大きな相手とはあまりやったことがない。あと、みんな忘れているがライトも35歳。決して若い訳ではないのだ。

おそらくホプキンスはライトのジャブを食わない位置から、一気に必殺の右を決めに来るはずである。ホプキンスが急激に衰えていなければ、ライトのジャブを続けてもらうことはないだろうし、ライトが不用意にジャブを出し続けると打ち終わりに左のボディプロー(デラホーヤを倒したパンチ)もあるかもしれない。これをうまく捌けばライトのものになるが、ホプキンスがどこかで山場を作るのではなかろうか。ホプキンスの判定勝ちに一票。

WBC暫定世界フェザー級王座決定戦(場所同じ)
WBC1位 オスカー・ラリオス(メキシコ、59勝37KO5敗1引分け)
WBC2位 ホルヘ・リナレス(ヘネズエラ、23戦全勝14KO)

帝拳所属のリナレスが、いよいよ世界挑戦である。場所はLVマンダレイベイ。メジャーデビューにもってこいの舞台である。

日本でもおなじみのラリオスだが、すでに30歳とピークは過ぎている。スーパーバンタム時代から手数は多いのだがパンチ力がなく、フェザー級に上げると途端に歯切れの悪い試合となる。ここ2試合も弱的相手に10R判定勝ちと煮えきらず、いよいよ主役交代の時期が来たようだ。

一方のリナレス、打ち合ってよし離れてよしの万能型。ここまで23戦、地域タイトルで経験を積んで満を持しての登場である。ラリオスの手打ちのパンチは恐れるに足らないので、打ち合って強打を決めればKOで勝てる。逆に大事をとりすぎてラリオスのパンチを見てしまうと、あれは12R止まらないのでパンチを食っていないのに攻勢点で判定負けという危険もない訳ではない。

世界チャンピオンはノーリスクでは手に入らない。リナレスにはぜひ打ち合ってもらいたいものである。

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2007/07/12

WBO/IBF世界ウェルター級タイトルマッチ展望

現在ウェルター級の世界チャンピオンは、WBAがミゲール・コット、WBC正がフロイド・メイウェザー、暫定がシェーン・モズリーといずれ劣らぬ強豪が揃っているが、残るIBF、WBOのチャンピオンもなかなか強い。そして今週は彼らが揃って防衛戦を迎える。もしかしたらこのウェイトなら、メイウェザーよりマルガリトの方が強いのではないかと思っているのだが。

WBO世界ウェルター級タイトルマッチ(7/14、米カリフォルニア)
チャンピオン アントニオ・マルガリト(メキシコ、34勝24KO4敗) -120
挑戦者 ポール・ウィリアムス(米、32戦全勝24KO) -110

この十年間に敗れたのは1階級上のスーパーウェルター級タイトルに挑戦したダニエル・サントス戦のみ。それも負傷判定でのスプリット・デシジョン(1-2)だから、いかにマルガリトが強いかということである。しつこい連打型でしかも打たれ強く、相手の方が音を上げてしまういつものスタイルが健在なら、ミゲール・コットでもそう簡単な相手ではないだろう。

一方のウィリアムス、シャーンバ・ミッチェル(元スーパーライト級C)をKO、無敗対決のマティセー(IBF予想参照)もKOしている米国期待の25歳新鋭。183cmという長身サウスポーで、現地の予想でも当初マルガリトFavoriteだったのがすでに拮抗している。

強いチャンピオンと強い挑戦者のタイトルマッチで、日本で注目している人はほとんどいないが、かなりレベルの高い試合であることは間違いない。一応マルガリトの経験を上位にとるが、予断は許さない。いつまでもモズリーやメイウェザーでもないような気もするし、もしかするとこの試合でニューヒーローが誕生するかもしれない。

IBF世界ウェルター級タイトルマッチ(7/14、米アトランティックシティ)
チャンピオン カーミット・シントロン(プエルトリコ、27勝25KO1敗) -500
挑戦者 ワルテル・マティセー(アルゼンチン、26勝25KO1敗)  +350

普通IBFとWBOではIBFのチャンピオンの方が強いのだが(歴史的にIBFの方が古い)、この階級ではWBOの方に分があるようだ。こちらのIBFタイトルの方も両者の戦績をみると素晴らしいのだが、実はシントロンの1敗はマルガリトにKO負け、マティセーの1敗はウィリアムスにKO負けと、いずれもWBOタイトルマッチの両者に敗れているからである。

ともにキャリアの大半が前半KO勝ちというハードパンチャー対決。そして必ずしも打たれ強くはないこともキャリアが証明している。となれば、カシノ客好みの派手なKO決着となることは確実で、それでいまや東海岸の定番となったボードウォーク・ホール開催なのだろう。

これまでやってきた相手からみてシントロン有利ではあるが、実はウィリアムスがとてつもなく強かったとしたら、マティセーもそこそこやる可能性がある。その意味でこれも楽しみな試合。

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2007/07/05

IBF世界ヘビー級タイトルマッチ展望+フライ級世界戦

IBF世界ヘビー級タイトルマッチ(7/7、独ケルン)
チャンピオン ウラディミール・クリチコ(ウクライナ、48勝43KO3敗) -450
挑戦者 レイモン・ブリュースター(米、33勝29KO3敗) +300

現在、ヘビー級最強と多くの人が認めているクリチコ弟であるが、一時期非常に評価を落としていたことがある。その原因となったのが、2004年4月のブリュースターとのWBO世界戦(KO負け)であったことも、また明らかなことであった。従ってこの試合は、クリチコ弟にとってなんとしても勝って汚名をそそがなければならない大事な試合である。

その試合、クリチコが4Rにダウンを奪ってほぼ試合は決まったかに思われたにもかかわらず、5R倒しに行って逆に疲れてしまったクリチコが連打を食らいあっさりKOされてしまったのだが、これはその前年にコーリー・サンダースに同じように破れかぶれのような一発を食らってKO負けしたショックが尾を引いていたのは間違いない。

ウラディミールはゴールドメダリスト(アトランタ五輪)だけあってテクニックの裏づけがきちんとあるのだが、ハートの強さでは兄のビタリにかなり及ばないところがあり、打たれると一気に腰が引ける。落ち着いてクリンチするなり足を使うなりすればいい場面で、なぜかばたばたして致命傷を負ってしまうのである。こうした弱点は、2005年のサミュエル・ピーター戦(3度ダウンさせられたが判定勝ち)あたりから徐々に克服されつつあり、今回も落ち着いて戦えば判定でもKOでもクリチコのものであろう。

一方ブリュースターは、そのクリチコ戦や2005年のアンドリュー・ゴロタ戦(1RKO勝ち)のように、不利を予想された試合で非常に強い勝ち方をする一方で、カリー・ミーハン戦やタイトルをとられたリャコビッチ戦のようにだらしない試合も多い。ちょっとむらのある選手なのかもしれない。

今回はそのリャコビッチ戦から1年以上のブランクがあって、しかも敵地ドイツでの戦い。前回番狂わせで勝ったのはLVマンダレイベイだから、その時より条件は悪い。オッズにもそれが現れていて、ブリュースターは4倍つく。もしかしてウラディミールに対して相性がいい場合にはチャンスなきにしもあらずだが、前回の試合も5Rまでやや一方的だっただけに、ちょっと望みは薄いかもしれない。

おまけ:WBA世界フライ級王座統一戦(7/1、有明コロシアム)
チャンピオン 坂田健史 ○ 判定(3-0) × 暫定チャンピオン ロベルト・バスケス

世界的ビッグネームの一人であるバスケスを、坂田が細かい連打で圧倒し文句なしの判定勝利。オーソドックス(坂田)対サウスポー(バスケス)の戦いはジャブを制した方が主導権を支配できるが、坂田のジャブがしつこくバスケスをとらえていたのに、バスケスは序盤2、3Rにはすでに手が出なくなっていた。

坂田はほとんどのパンチで肩に力が入らずスムーズな連打ができた上に、出入りを繰り返してディフェンスも非常によかった。同じ協栄ジムのフライ級王者でもユーリとか海老原とはかなり違う。むしろファイティング原田とイメージがダブってしまった。

実は内藤大助が7/18にまたもやポンサクレックとやるのだが、できればそんな試合はキャンセルして、坂田対内藤の日本最強決定戦を見せてほしいと思うのは私だけだろうか(この両者は2001年に日本タイトル戦を行い、引分け)。そして、勘違いボクサー亀田弟の最年少世界チャンプはいよいよ苦しくなった。仮にWBAが認定しても、いまやれば坂田の一方的な試合になることは間違いない。

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2007/06/23

ハットン・カスティージョ戦展望

WBCインターナショナルスーパーライト級王座決定戦(6/23、米ラスベガス)
WBC1位 ホセ・ルイス・カスティージョ(メキシコ、55勝47KO7敗1引分け) +150
WBC4位 リッキー・ハットン(英、42戦全勝30KO) -180

このクラスでかつてWBA、IBFを統一したハットンが最強であることはおそらく間違いないが、現在は主要4団体のチャンピオンベルトは持っていない。一方のカスティージョは長らくライト級でがんばってきたが、コラレス戦の連続ウェイトオーバーでついにクラスを上げた。この一戦が行われることが分かっていれば、1日早くLV入りするんだった。注目度の割りに激戦が予想される。

ハットンは2005年にチューとマウサを倒し、その後ウェルター級に上げて2階級制覇を果たしたもののこのクラスに戻ってきた。「ヒットマン」と呼ばれるもののかつてのトーマス・ハーンズのような切れがなく、ひたすら体力で前進していくタイプだから、上のクラスには限界を感じたのかもしれない。そして会場はラスベガス、地元マンチェスターのような応援はない。

カスティージョは2000年にスティービー・ジョンストンに勝ってライト級王者となり、その後フロイド・メイウェザー2連戦(デラホーヤ戦を除き、メイウェザーが最もラウンドを落とした相手)、ホエル・カサマヨル戦、そしてディエゴ・コラレス2連戦(3戦目はキャンセル)と強敵・難敵との戦いを続けてきた。やはり体力で連打するタイプだが、コラレス戦にみられたようにかつてのタフネスが若干の衰えをみせていることは間違いない。

この一戦、どちらも前に出るタイプなので、後ろに下った方が劣勢になる。どちらかというとカスティージョの方がボクシングができるので、ハットン前進・カスティージョ回りこむという展開が予想され、そうなるとハットンのペースとなる。だが、パンチを的確に当てることについてはむしろカスティージョの方が上である。KOのチャンスという点では、むしろカスティージョの方に分があるかもしれない。ただしハットン28歳に対しカスティージョは33歳。いまや40近くまでやれる選手が多くなってきたが、カスティージョは若い頃から体を酷使し続けている。

オッズは若干ではあるがハットンFavorite。人気どおりハットンが体力で押し切って判定勝ちの可能性の方が大きいけれども、いまだ無敗のハットンは連打を食らったことがあまりない。そこを序盤でうまく突くことができれば、もしかするとカスティージョの前半KOがあるかもしれない。ケースとしてはそちらの方が面白い試合になりそうなのだが、そのためにはカスティージョがコラレス戦のような連打ができるかどうかが鍵となりそうだ。

p.s.というわけで、来週はラスベガス遠征のためお休みします。

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2007/06/07

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ展望

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ(6/9、米ニューヨーク)
チャンピオン ミゲール・コット(プエルトリコ、29戦全勝24KO) -275
挑戦者 ザブ・ジュダー(米、34勝24KO4敗2NC) +215

日本ランキングのあるミニマム級からミドル級の中で、世界チャンピオンの出ていないのはこのウェルター級だけである。欧米スポーツマン達の平均的なウェイトであるこのクラスは当然選手層も厚く、80年代のレナード、ハーンズ、90年代のデラホーヤ、トリニダードをはじめ、すぐれた王者を輩出している階級である。

メイウェザーがスーパーウェルターに行ってしまった現在、このクラスで最強と目されているのがミゲール・コットである。ポスト・トリニダードと呼ばれ2000年シドニーオリンピック(予選敗退)後プロ入り。2年後の2002年に元世界王者セサール・バサン(日本に来て坂本博之に勝っている)をKOして世界上位に進出、さらに2年後の2004年にWBOスーパーライト級のチャンピオンとなった。以後も負けなし、ほとんど苦戦したことすらない。

先日イーグル京和に元インターハイ王者八重樫東が挑戦し、ほとんど見せ場もなく完敗したが、「辰吉を超える7戦目での世界最速チャンピオン」など何の意味もない。まず大事なのは世界チャンピオンにふさわしい実力とその裏づけとなる実績を積むことで、勝ちより負けの方が多い相手とばかりやって何勝しても経験にすらならない。八重樫にしても亀田弟にしても、コットをぜひ見習ってほしいものである。

さて、そのコット、もともとディフェンスがいい選手だったのだが、最近は強打者にイメージチェンジしてしまった。しかし実は打たれ弱い面があり、ノーガードの打ち合いになって必ずしもいいタイプではない。そこらあたりを歴戦のスピードスター、ジュダーが突くことができるかどうかが見所だろう。

シドニーオリンピックの行われた2000年にはすでに世界チャンピオンだったジュダー、2001年のコンスタンチン・チューとの統一戦の敗退(初めての負け)で大きく株を下げた。その後再浮上してコーリー・スピンクスをKOしてこの階級の統一王者になったが、好不調の波が大きく後半息切れするという欠点は相変わらずである。

オッズどおり(コット1.4倍)コットの優勢は動かないが、前半戦はジュダーの動きが上回りそうだ。そこで決定打を決めることができればジュダーKO勝ちもあるが、普通はコットの判定勝ちだろう。もし完調のジュダーをKOできたとしたら、コットはメイウェザーよりこの階級では強いことになる。なお、この試合は月曜日のWOWOWでタイムリー・オン・エア中継される。

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2007/05/31

WBOヘビー級タイトルマッチ展望

WBO世界ヘビー級タイトルマッチ(6/2、米アトランティックシティ)
チャンピオン シャノン・ブリッグス(米、48勝42KO4敗1引分け) +170
挑戦者 スルタン・イブラギモフ(ロシア、20勝18KO1引分け) -250

1999年から2002年にかけて、ビタリ、ウラディミールのクリチコ兄弟が相次いでチャンピオンとなったWBOヘビーであるが、最近ややその価値が下りつつあるようだ。ウラディミールにKO勝ちしたレイモン・ブリュースターがセルゲイ・リャコビッチに敗れ、そのリャコビッチもブリッグスに敗れて、いまや4団体の中でも弱い方に属するチャンピオンとなってしまった。

そのブリッグス、1997年にジョージ・フォアマンに引導を渡した男として有名であるが、翌98年に当時の最強王者レノックス・ルイスに挑戦するもKO負けして長期低迷期に入り、しばらく鳴かず飛ばずの状態が続いた。2003年から11連勝して再度タイトル挑戦のチャンスをつかみ、とうとうヘビー級の王座についたが、タイトルを獲ったリャコビッチ戦は劣勢からの逆転KO。あと15秒ほどリャコビッチが我慢していればタイトルの移動はなかった。12Rまでスタミナが持ったということは評価できるが、途中かなりバテていたことも確かである。

対するイブラギモフはシドニーオリンピックの銀メダリストでテクニックのあるサウスポー、戦績もなかなかのものである。しかしながら、世界ランカーとの対戦はレイ・オースティン(先日、クリチコ弟に2RあっさりKO負け)との引分けくらいで、実際どの程度戦えるのかは未知数といっていいのかもしれない。

試合の鍵となるのは、ブリッグス260ポンド(120kg)、イブラギモフ220ポンド(100kg)の体格差ではないか。普通なら体格に