亀田興毅の協栄ジム契約解除問題
ゴールデンウィーク前から話題になっていた亀田兄弟と協栄ジムの契約問題だが、昨9日に正式に契約解除となり、亀田兄弟は協栄ジムをクビになった。これで、どこかのジムに再び所属しない限り、日本のリングには上がれないことになる。
前にも書いたように日本のボクシングジム制度は大相撲をお手本として作られていて、日本ボクシングコミッション(JBC)は日本相撲協会にあたる。相撲で「○○部屋」に所属していない力士が本場所に出られないのと同様、ボクシングでは「○○ジム」に所属していない選手は国内で試合をすることができないのである。
大相撲で横綱という最高位にあった双羽黒(ふたはぐろ=北尾)が、立浪部屋とのトラブルから廃業したのが1987年。ボクシングの西島洋介山がオサムジムとのトラブルからアメリカに渡ったのが1997年。約10年ごとにこうした問題が起こるのは、おもしろいといえばおもしろい。
大相撲で日本相撲協会から除名(廃業処分)になれば、国技館の土俵には上がれないし、仮に一人で場所を主催するとしても、相手として土俵に上がった力士もペナルティを受ける(さだやす圭「ああ播磨灘」)。ボクシングも国内に限れば同じことになるが、海外に活躍の場を求めるという選択肢が残っている分、まだ救われるといっていいかもしれない。
さて、こうした背景の下、亀田興毅(弟はこの際どうでもいい)が今後どうなるかであるが、ボクシング関係者の多くは「特例を認めるべきではない」「亀田家のゴネ得を許すな」という論調である。ずっと海外のリングでやるというならそれでもいいが、海外選手扱いで日本のリングに上がるのは許さない(例えばvs内藤、vs坂田)という見解が大勢を占めるようである。
ただこの点については私は違う意見を持っていて、この時代にジムに所属していなければ選手として認めないという制度自体に無理があると思っている。例えばホルヘ・リナレスなりエドウィン・バレロが帝拳から離れたとして、その後は日本で試合をさせないといったらどうなるのか。国籍が問題だというなら、徳山昌守だったらどうなのか。
JBCはあくまで選手としての資格認定(ライセンス)を司る機関なのであって、選手として不適格と判断するなら日本のリングには上げないというだけのことである。ジムに所属しているかいないかということは興行権に関する問題であって、「業界の秩序」と関係者が言っているのは「既存ジムの既得権益」というのと同義であろう。
そんなことを言っていたらジムの経営が成り立たないというのなら、商業ベースに乗らない商売が長く続けられる訳がないでしょうといいたい。こうした既得権益のせいで、日本のファンはIBFやWBOのチャンピオン、例えばノニト・ドネアやビック・ダルチニアンの実物を日本で見ることができないのだ。
亀田一家の横車には基本的に味方しないのだが、今回の一件についてはがんばって業界に風穴を開けてほしいと思ってしまった(といいつつ、来週にはあっさり新しい所属ジムが決まったりして)。
p.s.ボクシングのバックナンバーはこちら。
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